自己管理能力がある人は、認知症になりにくい?
自己管理能力でわかる、認知症のなりやすさ
アメリカで2007年に報告された論文によると、自己評価の最も高いグループの人たちは、最も低いグループの人たちに比べて、認知症の発症率が89%も低かったという結果がでています。
これは、平均年齢75歳の認知症になっていないカトリックの女性聖職者や信徒を対象に行われた疫学調査で12年間の追跡を行って明らかにされたものです。
研究者は、まず性格の自己評価ということで、「自分は与えられたことをいつもこなすことができる」、「使命をまっとうするために一生懸命に活きている。」、「期限までに仕事をおわらせるよう時間の管理ができる」といった12の項目を調査し、0~4のスケールで性格評価して、12年間毎年続けてもらっています。
いわば、自己管理能力、事故や衝動をコントロールでき決断力があるかどうかのチェック評価をして、その中で認知症(アルツハイマー病)になった人がどのくらいの割合いるのかというのを調べています。
ならば、自己評価を高くすれば認知症にならない?
なるほど! 自己評価が高い人のほうが、自己評価が低い人よりも認知症になりにくいのか!
だったら、簡単じゃ!
認知症にならないためには自己評価を高くすれば良いということになるぞ!
つまりだ! 自分に対して甘い人間になればいいんだ
例えば、同じように生きていて同じ能力で仕事をしていても、自分に厳しければ、「いやいや、私はまだ与えられたことをいつもこなしてはいないわ」となるでしょう。
しかし、自分に甘い人ならば、「当然よ、私はいつだって与えられたことをいつも正確に緻密にこなしているわ」となるでしょう。
となると、うぬぼれ屋さんのほうがボケないというような解釈方法もなりたってしまいます。
お~い! ほんまかいな! こんなことでいいんだろうか。。。
この論文では調査結果からわかることとして、自己評価が高い人たちは、聖職者としてあるいは敬虔なカトリック教徒として、社会奉仕や教育的な活動を献身的に行っているという自負があり、それに対して充実感を持っていると思われます。
また、もし困難にあっても回復力が高く、それらを克服してきたことが推測されます。
つまり、前向きな姿勢で、活き活きとした生き方をしていれば、認知量の発症の確率を低くできるのではないかということになります。
おいおい、うまく話をまとめたな!
それじゃ、うぬぼれが強い人はどう説明をつけてくれるんだ?
うぬぼれ人間ではなく、前向きなやる気人間がボケにくい
それは、この論文で調査の対象としたのが、そもそもカトリックの聖職者や信徒ということで、バックグランドとしてそもそもこういう人たちの中には、きちんとできていないのにもかかわらず、私は何でもできてきちんと約束も使命も果たせていているのよという勘違い人間はいないだろうということで、調査母体が選ばれたのかもしれません。
まず、常識をはずれて、自分を甘く評価しすぎる人はまずいないだろういう前提があったのかもしれません。
アメリカの研究ですし、時代やその土地柄という背景があるにしても、自分に自信を持っていて、やりがいがあって生きている人、自己管理がしっかりできていると、アルツハイマー病の発症の確率を下げることができるということなのだろう。