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九段下のベビーカー事件で浮彫りになった、東京メトロのテロ対策の危うさ

東京メトロの地下鉄半蔵門線、九段下の駅のホームで、電車のドアが閉まる際にベビーカーがはさまり、そのままベビーカーをはさんだまま電車が発車してしまい、時速50kmのスピードで、駅の壁にベビーカーが激突するという事故が起きました。

幸いにして、2人の子供はベビーカーから降りて先に母親と一緒に電車に乗っていたため、大事には至らず、父親が押して電車に乗り込もうとしてはさまれたベビーカーの破損だけで済んだ。
母親と子供は電車の中、父親はホームでことなきをえたが、一歩間違えば大惨事につながりかねない事故だった。

テレビのニュースでは、国土交通省東京メトロの職員が謝罪にいき、厳重注意されていたシーンが放送されていました。

今回の事故で疑問に思うこと

ドアに異物が挟まると感知する機械は作動しなかったのか?

電車に乗っていると、ドアにちょっとカバンや傘、下手をすると厚めのコートが挟まっただけでも、異常を感知し発車できず、通勤通学時間帯にイラっとした経験がある人も多いのではないだろうか。
コートですら検知するのに、ベビーカーが挟まって感知しないっていうことあるのかよ!

当然、こういった疑問がでてくるのですが、異常を検知できるのは大きな異物が挟まったときで、1.5cm以下の異物の場合は、検知されない仕組みになっている。あまり感度が高すぎると、ちょっとコートが挟まるたびに、発車できなくなってしまうからだ。
しかし、今回はベビーカーの前方の車輪を支える細い棒の部分が挟まってしまったため、検知されず車掌が発車の合図を出してしまった。


大都会のど真ん中で3本も地下鉄が乗り入れる駅のホームに駅員なしかよ!

この事故で注目したいのが、ベビーカーが挟まれた場所というのは、ホームの階段近くではないという点だ。
つまり、これは何を意味しているのかというと、かけこみ乗車ではないのではということになる。
階段近くであれば、駆け込み乗車も考えられるが、階段近くでないとすると、普通に乗り降りしていて起きた事故だということだ。

確かに、ホームは直線なので、車掌が目視での安全確認を怠ったともいえるが、大都会の中心部、しかも半蔵門線だけでなく、東西線、都営新宿線と3本もの地下鉄が交差する山手線の中にある駅、皇居の近くにある東京の中心も中心にある駅のホームに駅員が一人もいないって、車掌のヒューマンエラーもさることながら、東京メトロの安全性に対する甘さは大いに疑問だ。
大都会の地下鉄の乗り換え駅で乗降者数もそこそこあるのに、駅員いねぇ~のかよ!

空港や地下鉄はテロ対策だなんていってるけど、こんな東京のど真ん中の駅のすぐそばにある駅のホームに、駅員が一人もいないって、それでどうやってテロ防ぐっていうんだろうか。
九段下といったら、3本の地下鉄が乗り入れているだけでなく、皇居に近く、2つ先は永田町駅(政治の中心地)がある。
そんな東京ど真ん中の駅で、東京サミットや東京五輪だといっている中、警戒態勢どころか、駅員一人もいないのか?

テロはあってはならないが、テロでなくても、何か駅のホームでトラブルがあったら、放置プレイになるということか。

同じようなことは、ゆりかもめ等でも言えるだろう。


車掌の不注意はもちろんダメだが、単独乗務が19日目という20代の女性車掌一人を悪者にするのはかわいそうだ。
確かに、やってはいけないミスだ。まあ、今回は人的被害はなく、不幸中の幸いで良かったと思う。

やっても許されるミスと、やってはならないミス、今回はたまたま子供が乗っていなかったから良かったものの、本来ならやってはならないミスになるだろう。
それでも、人間がやること。ヒューマンエラーというものもある。東京メトロの駅のホームのサイドの安全性というのも見直してもらいたいものだ。

駅で喧嘩がはじまっても、止めにはいったり通報したりする駅員が一人もいないのでは、話しにもならない。
ホームに警備員どころか、駅員すら一人もいないって、テロどころか、酔っ払いの喧嘩にも対処できねぇーじぇねぇ~か!

電車の非常ボタンも、ホームの非常ボタンも押されたんじゃないの?

押されていて、車掌も認識していたが、単独乗務が19日目という20代の女性車掌は、気が動転してしまい急停止をためらってしまったという。
まずは、何が何でも停止ということを徹底して教育していなかったこともいけないのだろう。
徹底して教育しておけば、とりあえず何が何でも緊急停止となったと思うのだが。

気が動転してヒューマンエラーが起きてしまったが、人間には正常性バイアスというものがある。
このいい例が、韓国の大邱の地下鉄で起きた放火事件で197人もの乗客が死亡してしまった事件で、この時に働いたのが、『正常性バイアス』とも言われている。

正常性バイアスとは、異常事態に遭遇したとき「こんなはずはない」これは正常なんだと自分を抑制しようとする心理状態であり、たぶんこの車掌は日常的な業務における研修・教育は受けていたのであろうが、非日常である非常時に対する対応の教育研修がきちんとなされていたかはわからない。

今回も、非常ボタンが押されても、これはいたずらなのではないか、この電車を遅らせてしまうと後の電車にも影響がでてくる。
特に半蔵門線は、東急や東武といった私鉄各社とも乗り入れており、そのダイヤにも影響を及ぼしかねない。
そんなことが頭をよぎった可能性もある。

いずれにしろ、今回の事件、未熟な新人車掌が起こしたヒューマンエラーとして、当事者を処分して終わりというのではなく、東京メトロとして、ホームでの安全性、教育研修について、もっとしっかり考えていったほうが良さそうである。