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三流は無視、二流は称賛、一流は批難 は、正しいのかを検証する

策士、戦術家と言われた元プロ野球監督の野村克也監督の言葉に、次のようなものがある。
あまりにも有名な言葉なので、知っておられる方もいると思います。

「三流は無視し、 二流は称賛し、 一流は批難する。」

あれ? よく人って褒めて伸ばすって言うよね。
二流を褒めるっていうのはいいけど、一流だって褒められたいよね。
それにそもそも、三流を無視だなんてどういうこと?

見込みがない奴は切り捨てるってこと?
会社だとしたら、そんなことできないよね。

入社してきちゃって、クビにもできない社員、使えないから何も教えないで無視だなんてことしたら、あんた人育てる気ある?
上司として失格だ!ということになってしまうでしょう。

プロ野球の世界だからこそ通用する野村理論?

野村克也さん曰く、プロの世界だから、競争は厳しい。

だからこそ、三流選手がプロとして残るのは至難の業。
死に物狂いで努力するか、早いところ、転職すべきである。
見込みのない三流を褒めて、下手に期待させても、それはその人の人生を考えるとマイナスにしかならない。
だから褒めずに無視する。

見込みがある二流の選手は、褒めて褒めて、気分良くして使っていくことで伸ばしていく。
当然、褒められることが一番、選手を伸ばすことにつながる。

でも一流は別。
褒めちゃいけない。
一流の選手は、それだけ才能も実力もあるから褒められることに慣れていて、すぐ図に乗ったり天狗になったりする。
だから的確な批判して、発奮させる。
一流であれば、その批判を受け止めるだけの器も余裕もある。
そして、一流選手は、その非難に耐え、ステップを乗り越えてこそ、超一流となっていく。

野村監督は実際に、この考え方を実践している。

今やメジャーに言って活躍している田中将大投手についての対応をみるとよくわかります。
最初は、マー君神の子・・・などといって褒めちぎっていました。
ところがだんだんと厳しいことを言うようになってきました。

マー君が期待されていたことの裏返しなのでしょう。


一般社会にそのまま適応するべきではない野村理論

この「三流は無視し、 二流は称賛し、 一流は批難する。」は、一見すると、なるほどなと思ってしまう部分があります。
しかし、これは自分はプロになるぞ! 野球でメシを食っていくぞ! といってある一定レベル以上の実力をもった人が入ってくる、厳しい厳しいプロ野球の世界だからこそ通用する理論なのではないかと思います。

これを一般の社会に当てはめると大変なことになってしまう。
当てはめてみると、このようになってしまうかもしれません。

三流社員は、仕事ができないんだから育てても見込みがない。
どうでもいい雑用をやらせておけばいいさ

二流社員は、素質があるから褒めて育ててやろう

一流社員は、下手をすれば自分のライバルになりかねない。
批難してつぶしてやろう

まあ、上司としてはとんでもない話です。
三流社員を一流社員、超一流社員にしてこそ、本当の意味で人を育てることになるのでしょう。
二流を一流にするのは当たり前、三流を一流に育てあげてこそ、部下を育成する能力があるということになるのではないだろうか。

三流を無視だなんてとんでもない。
だって、三流であろうと、四流であろうと、五流であろうと、入社して配属されてきたからには、その人材を活かすのが会社というもの。


野村理論とリーダーシップ理論

野村監獄の「三流は無視し、 二流は称賛し、 一流は批難する。」は、
あらゆる環境に対して唯一最善の組織は存在せず、環境が異なれば有効な組織は異なるという立場をとる。
つまり「全ての状況に適応されうる唯一最善の普遍的なリーダーシップ・スタイルは存在しない」というコンティンジェンシー理論に通ずるものがあります。

同じ人間でも、三流のとき、二流のとき、一流のときで接し方を変える。

でも最近では、1964年にフィドラー(F.Fiedler) が提唱したコンティンジェンシー・モデル(リーダーシップ条件適応理論)というものがあり、リーダーシップとは資質ではなく、「状況に応じて役割を変える必要がある」という考えが提唱されています。


大切なのは仕事を楽しんでいる組織かどうか

仕事をやる上で、一番大切なのは働く人のモチベーションです。

この有名なピーター・ドラッカーは次のように言っています。

“If they don’t enjoy it,then I’d rather not work for them.”

つまり、「仕事を楽しんでいない人のためには、私は働いたことがない」  

そして、こう言っています。

「仕事ができる組織は、仕事を楽しんでいる」  

「訪ねてみれば2分もしないうちにわかる。その組織の人が仕事を楽しんでいるかどうか」