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なぜ4月から医療費が上ったのか? ここが変だよ! かかりつけ薬剤師制度

最近、薬局に行くと、「4月から医療費があがったので、110円余分にいただくことになります。これからは、私があなたをご担当させていただきたいと思いますが了承していただけますか?」などと聞かれたりする。
主治医というものはあり、これは「かかりつけ医」とも言われていますが、このかかりつけ医の薬剤師版ともいえる「かかりつけ薬剤師」に関連した制度が、2016年4月からスタートしています。

ああ、そう、サービスならいいかなんて思っていると、それでは、「かかりつけ薬剤師」の手数料として約110円いただきます。

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かかりつけ薬剤師って、ぼったくり!?

ダチョウ倶楽部じゃないけど、

「聞いてないよ!」になってしまい、
「はい、どうぞどうぞ・・・」とは言えない気分になる。

自分の体に自信がない高齢者なら、これも健康に対する保険かしらと思うかもしれないが、ピンピンと若くて元気な若者で、たまたまちょっとスポーツで捻挫をして湿布薬を処方してもらい、会社の近くのクリニックで処方箋をもらい、そのお隣さんにあった薬局に入ったらこんなことを言われた場合、「いいよ、遠慮しておくよ」と言いたくもなる。

ただでさえ、「お薬手帳」なるものを持参させられて、その薬剤管理料とかいって余分にお金取られていましたが、今度は薬代が3割負担で、200円で済んだとしても、かかりつけ薬剤師料金として100円いただきますと言われ、支払った額が300円。

そのうち100円がかかりつけ薬剤師料金だとすれば、なんか消費者心理としてはお金をだまし取られた感覚になるのも無理はありません。

そもそも、命に関わる疾患とか、糖尿病や痛風のような持病があり薬を管理してもらいたいという人ならいざしらず、たまたまスポーツで捻挫した意外は、元気でぴんぴん、他に薬も飲んでいないという若者が、お薬手帳だの、かかりつけ薬剤師だの、ウザイだけだし、何かと口実をつけてお金をかすめとっているとしか思えないのも無理もない話である。

かかりつけ薬剤師とか・・・ 調剤師だけに、超ウザイし~ ・・・・

なんて、ダジャレを言っている場合ではない! ← だったら言うな!w

かかりつけ薬剤師の存在意義とは

確かに、医者は完璧ではありません。
人間ですので、ミスもするでしょう。薬の処方をミスることも稀にあります。そこを薬剤師がチェックしているわけですが、お薬には、副作用はもちろん、お薬同士の相互作用、またお薬と食べ物の相互作用、さらには、患者一人一人の体質・アレルギーなど、薬の安全性において考慮しないといけない点がたくさんあります。

患者さんが今現在飲んでいるお薬、よく飲む市販薬、習慣にしているサプリメント、アレルギーや家族の病歴を管理することで、よりお薬を安全に使うことができます。

例えば、先ほど例にあげた若者のスポーツ捻挫に処方された湿布薬ですが、湿布薬といっても馬鹿にできません。
湿布をして、日光に当たることによって光線過敏症といった過敏症状が皮膚に出てたりすることもあります。
こんなとき、以前に市販の湿布薬も含め、貼ってから湿疹ができたりしたことはなかったかといったようなことをきちんと精査することで、薬による副作用のリスクを減らすことができます。

中には、「かかりつけ薬剤師」の説明が面倒くさくて、「4月から医療費が100円上がります。」なんてざっくりとした説明しかしていないところもあるようですが、これは明らかに説明不足でしょう。

 かかりつけ薬剤師の大きな問題点

かかりつけ薬剤師制度には問題点がいくつかありますが、一番大きな問題は、薬局が患者優先より利益優先に走るという大問題点です。
かかりつけ薬剤師となることで、患者を囲い込むことができます。一番多くみられるのが先ほど述べた「医療費が約100円上がります。」とか言う説明不足な言葉です。
確かに、かかりつけ薬剤師の加算は処方せん1回につき380円なので、患者負担は3割負担だと約110円になるのでウソではありませんし、医療費がそれによって上がるのも事実です。

しかし、このかかりつけ薬剤師を持つことは患者の義務でもなんでもありません。
かかりつけ薬剤師を持つのは、あくまでも患者の自由なのです。
もたなくてもいいのです。

ひどい薬局になると、「4月から決まりになっていますので・・・」
確かに、制度として決まりになっていますが、患者に対して、かかりつけ薬剤師をもつことが絶対的な義務であるかのごとくに感じさせてしまいます。

薬局側は、なるべく自分の薬局の利益をあげようと、一人でも多く、かかりつけ薬剤師に患者をつけたいので、ウソにならないギリギリの、いわば詐欺まがいのやり口で、患者を自分のかかりつけ薬剤師にしようとしたりする場合もありますが、とんでもない話です。

誠意があるのであれば、きちんと、かかりつけ薬剤師について説明をし、これこれ、こうだから、主治医を持つのと同じように、かかりつけ薬剤師を持ったほうがいいですよ。と言うべきであり、もしよければ、「私を“かかりつけ薬剤師”に選んでいただけませんか?」と言うべきなのである。

あくまでも、かかりつけ薬剤師制度というものは、「患者がかかりつけ薬剤師を選ぶ」制度であり、主導権つまり選択権は、薬局側ではなく患者側にあり、かかりつけ薬剤師を持たないというのも一つの選択肢なのです。

 

ここが問題! ちっとも機能しないし、患者サービスになっていないかかりつけ薬剤師

1.生活費を削るため、ワザとかかりつけ薬剤師がいない時を狙って来局する患者が増える

かかりつけ薬剤師は、経験がある薬剤師が、その患者のことを深く把握し、安全に薬をチェックし、場合によっては生活のアドバイスもしてくれるという非常に良い制度なのですが、問題は、患者と薬剤師がきちんと会えればという条件つきです。

患者が来局しても、そのかかりつけ薬剤師になった人がいなければ、他の薬剤師が対応します。
お薬手帳などで、ひと通りのことはわかるので、きちんとチェックされますが、この場合は、薬局側はかかりつけ薬剤師の加算はできません。
患者側は、あれ?この前110円取られたのに、今日は取られないの? それならこの前の110円返してよ!となりかねない。

しまいには、あのかかりつけ薬剤師がいる時に来局したら、110円余分に取られるのよ!なんて話が拡がり、ただでさえ不景気で生活が苦しい消費者は、110円でも浮かそうと、わざとかかりつけ薬剤師がいない日や時間を狙って来局する。

患者が、お薬手帳を持っていくと、その分余計に金をとられるから、薬局にはお薬手帳は持って行かない!というのと同じですね。

2.真面目にかかりつけ薬剤師にかかると調剤待ちの時間が長くなり時間のムダが増える

今までは、来局すれば空いている薬剤師さんが対応してくれましたが、かかりつけ薬剤師をもつと、そのかかりつけ薬剤師がいれば、なるべくかかりつけ薬剤師が対応しようとします。なぜならば、もちろんかかりつけ薬剤師以外の薬剤師が対応してしまうと、薬局はかかりつけ薬剤師加算が入らないからです。

すると、自分と同じ薬剤師をかかりつけ薬剤師としている処方が集中した場合、他の薬剤師が空いていても調剤してもらえず、本来なら待ち時間ゼロで調剤してもらえるところ、20分待たされるなんてことにもなりかねません。

「えっ! あの人、私よりずっと後に来局したのに、もう薬もらってるじゃない! ねぇ、ちょっと、私の薬まだなの? 早くしてよ!」

これのどこが、患者サービスの向上につながっているのだろうか? はなはだ疑問である。

3.患者が、かかりつけ薬剤師を1人しか選べない不便さはおかしい

かかりつけ薬剤師が決まっても、薬剤師が転勤してしまえば変わってしまう。
かかりつけ薬剤師や健康サポート薬局制度となって、今までよりは、1つの薬局で長いこと勤務したほうが薬剤師自信にメリットがあるということで、薬剤師の転職などほあ少なくなるとも言われていますが、それでも薬剤師が変わったり、辞めたりしてしまうこともあります。

さらには、もっと問題点があります。
かかりつけ薬剤師を1人しか選べないとなると、患者側は生活圏として、自宅の周りと、勤務先の周りがあるとすると、自宅のそばの薬局にいくこともあれば、会社の近くの薬局にいくこともあります。

つまり、自宅のそばの薬局にかかりつけ薬剤師を置くと、会社の近くでは困ってしまう。
生活が、週に3日は大阪、2日は東京、残りの2日は名古屋なんていう人がいたら、かかりつけ薬剤師が東京でしか持っちゃいけないとなると、本当にかかりつけ薬剤師としての意味があるのか? 疑問に感じてしまう。

東京で1人、名古屋で1人、大阪で1人、かかりつけ薬剤師を持ってもいいですよ!っていうのなら話はわかるが、馬鹿な制度を作る連中は、まったく患者心理や市場というものが見えていない、卓上の論理だけで堅い頭をこねくりますから、いろいろ不便な点や不都合な点がでてくるのであろう。

今や、多様化の時代。生活様式だって多様化している。もうちょっとそういったところも創造力を働かせて、制度がつくられるべきではないのだろうか?

 

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