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どうして目が開かない? 科学で暴く催眠術のネタバレ

 

催眠術と聞いて、どんなことを想像するだろうか?

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怪しい、インチキくさい、ヤラセと思う人もいるだろうし、不思議、かかってみたい、面白そうと思う人もいるでしょう。

催眠術で想像するものとは・・・ エロ? ショー? カウンセリング?

 

 

催眠術というと、一時期そのエロさから放送中止となりましたが、女の子に催眠術をかけて、いろいろと催眠暗示を与えて、人前でエロいことをさせるといった深夜番組もありました。

催眠術にかけられた女の子たちは、トロンとした表情で、まるで操り人形にされてしまったかのように、従順に催眠術師の言いなりになってしまっている姿をみて、催眠術を習いたいと思った人もいるかもしれません。

 

こういった番組や、催眠術ショーと評して催眠術にかけた芸能人に、ワサビを食べさせたり、タガメを食べさせたりといった企画もありましたが、こういった企画のせいで、催眠術というものが曲解して捕らえられている一面もあります。

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もっとも、本人の了承をとっているのかわかりませんが、番組とかであれば、どこまでOKで、どこからがNGとかいうのがあって、タレントさんも了承のもと行われているのかと思いますが・・・

最近はちょっとしたことでも、すぐにパワハラとかセクハラとかいう時代ですので、たとえスケベな催眠をかけたり、タガメを食べさせなくても、ワサビを食べさせたりしただけでも傷害罪などで訴えられるかもしれませんね。

 

一方、催眠術は医学の分野などでも広く用いられ、催眠療法という分野も確立されています。 ストレス解消やリラックスといったようなものはもちろん、どもりの治療、あがり症の治療、乗り物酔いから、禁煙や禁酒などにも広く用いられています。

 

さらには、学習における自己啓発であるとか、嫌いなものを食べられるようにするとか、苦手を克服するといったように、いろいろな場面で用いられたりしています。

催眠術ショーと催眠療法は似て非なるもの

 

催眠術ショーと催眠療法は、対象者を催眠術によって催眠状態にするという点からすると、どちらも同じですが、エンターテイメントのために面白おかしくするという催眠術ショーと、対象者の悩みの軽減や解消をしていくという催眠療法では、目的からして全然違います。

従って、催眠療法では悩みを聞きながら、信頼関係をじっくりと時間をかけてつくっていき、かけていくという方法がメインになるのだと思います。

 

一方、催眠術ショーなどの場合は、前もって予備催眠をかけておくという場合もありますが、その場でのぶっつけ本番であれば、催眠術にかかりやすそうな人をみつけて、その人に短時間で催眠をかけていきます。

催眠術ショーなどでは、指がくっついて離れなくなるとか、立ったまま後ろに倒れていってしまうとか、特に瞬間的にかかったと見えるようなものや、短時間のうちにかかってしまうようなものが好まれます。

人間って、いとも簡単に催眠術にかかってしまうものなのか

 

じっくりと信頼関係を築いて暗示をいれていくのならまだしも、そんな初対面だからって、いきなり数秒とか、数十秒でいとも簡単に催眠術にかかってしまうものなのでしょうか? この答えは、Yesであり、Noであります。

つまり、簡単にかかってしまう人もいれば、かからない人もいるということです。 そして、催眠術ショーとかでよく行われる、数秒とか数十秒で催眠術にかかったようになってしまうというのには、一種の種明かしがあるのです。

つまり、手品と似たようなものだということです。

私は、催眠術師です!と言うだけで、催眠術にかかりやすくなる

 

人間は、権威に弱いものです。 同じように暗示をされても、「私は凄腕の催眠術師です。」といってかけるのと、「催眠術はかけたことがありません。」といってかけるのでは、相手が催眠術にかかる確率が変わってきます。

凄腕の催眠術師だというだけで、心理的にヤバイ、かかっちゃいそう!と思わせてしまうのです。

そしてそう思っただけで、かかりやすくなってしまいます。 テレビで、催眠術師が、以前他の人にかけたときの映像をタレントに見せたりしているのも、そういった効果を狙った部分もあります。

これは、心理戦というか、心理的に相手に催眠術をかけやすくするためのものです。

人々に床に座ってもらって、「凄腕の催眠術師が登場します。」といって、しばらく雑談したあと、その催眠術師が唐突に「はい、立ってみてください!」と言っただけで、すぐにサッと立ち上がる人もいますが、なかなか立ち上がらず、周りの人が次から次へと立っていくのをみて、最後のほうで、「あっ、みんな立ってる、立てるんだ」と思って、気だるそうに立つ人も出てきます。

別に、この催眠術師は「はい、あなた達は立てない!」と言ったわけではありません。 「はい、立ってみてください!」と言っただけなのに、なかなか立てなかった人は、もう凄腕の催眠術師だと聞いているので、「はい、立ってみてください!」と言われただけで、自分はもうすでに催眠術にかけられてしまったんだと思い込み、それだけでなかなか立てなくなってしまったのです。

催眠術ショーなどでは、こうしたかかりやすい人をターゲットにしていくのです。

短時間でかける催眠術のネタばらし

 

さて、いよいよ本題に入りましょう。 最近では、プロの催眠術師が、動画を通じて催眠術にかけますといったようなものまで配信していて、実際にかかった人の映像なども流れています。

 

例えばということで、一例をあげてみます。 【生放送】これを見てるあなたに画面越しで催眠術をかけます!! ここでの催眠術は、催眠術師の言うとおりにしていると、瞼が開かなくなってしまうというものです。

 

さあ、みなさんはやってみましたか? 結果はどうでしたでしょうか? 

 

瞼が閉じて開かなくなってしまったでしょうか?

 

催眠術のネタバレ! 

 

インチキではないが、 こうした催眠術は、実はトリックがあります。

それが人間の観念運動を利用したもので、当然、そんなことしたらこうした反応を生理的にするよね!というようなことを、いかにも催眠暗示によってそうなったように思わせるのです。

いろいろとパターンがありますが、今回は瞼が開かないというこの動画について述べていきます。 動画を見ていると、目を閉じて、眼球は天井、つまり上の方を見るようにするよう指示しています。

 

実はこれがトリックなのです。

 

催眠術師によっては、後頭部をみつめるように意識を集中してくださいというように、上の方ではなく、後頭部を見るように指示する場合もあるかと思いますが、原理は同じです。

 

そのあと、いろいろと金色の光に包まれてとか、至福の気分だとか、お花畑ですとか、目をつむってベンチに座っていますといったような部分は、イメージを連想することによって、より催眠状態に入りやすい人もいるので、こうしたことをイメージさせているということなのです。

 

目をつむり、上方視すれば、瞼が開きにくくなるのは当たり前 人間の生理作用を考えた場合、人間は瞼を閉じるときは、眼輪筋という筋肉を使います。

一方、上方を見ようとして眼球を上の方に動かすと、上直筋と言われる筋肉が収縮します。 そして、肝心の瞼を開けるための筋肉は、眼瞼挙筋と呼ばれる筋肉があります。

 

つまり、まとめるとこうなります。

瞼を閉じてください ⇒ 眼輪筋が使われます。

その状態で眼球を動かし上方を見るようにしてください ⇒ 上直筋を収縮させます。

この時、眼球は上方・奥の方へ引っ張られ、つられて瞼も多少奥に引っ張られます。

いざ、瞼を開けようと思っても、上直筋によって眼球と瞼が奥に引っ張られ、かつ眼輪筋にはずっと眼を閉じようとする命令が出ている。

さらに上直筋と平行して走っている眼瞼挙筋は作用しにくくなっています。

 

とにかく、細かい理屈はともあら、眼をつむった状態で上方を見るように眼球を動かしたり、後頭部を意識して見るようなイメージをしていたら、瞼が開きにくくなる方向にベクトルが働くのは、人間の体の構造上当たり前のことです。

 

開かない! 催眠術かかっちゃった! じゃなくて 人間として当たり前やん! ちょっと待ってや!  そういって、上を向けていた眼球を力を抜いて戻せば、簡単に目なんか開いちゃうはずです。

 

催眠が解けない場合は眼をこすれば解けますと催眠術が動画でいっていますが、これは緊張した眼の筋肉をほぐしてやることによって、筋肉が正常になるから、目が開けれるようになるというものです。

 

瞼が開かないからといって、眉をつりあげても無駄

催眠術にかかって、瞼が開かないと一生懸命に眉をつりあげてもがく人がいますが、全く意味がありません。

中には、「いくら眉をつりあげてもがいても、瞼を開けることはできません。」などという人もいるかも知れませんが、これも人間の体を考えれば当たり前のことです。 瞼を開けるのに働く筋肉は、眼瞼挙筋。

一方眉をつりあげる筋肉は、前頭筋という筋肉。 筋肉が違うのです。 だから眉をつり上げて別の筋肉を一生懸命動かしても、瞼が開くはずもありません。