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AIと人間の共存、得意なことと不得手なこと

最近AIという言葉がよく使われています。 チェスだけでなく、将棋や囲碁の世界でもAIがプロに勝ったなどとニュースになっています。

AIとは何ぞや

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AIとは何ぞやと聞かれると、多くの人がAIつまり Artificial Intelligence の略だから人工知能だと答えると思います。

それでは人工知能とはどのようなものを言うのでしょうか?

AIと対照的なのが私達生き物の頭脳であり、いわゆる自然が生み出した頭脳ともいえます。
 生き物の頭脳のことは、自然が生み出したものであることから、自然知能ともいわれます。

そしてこの自然知能をコンピューター上で実現させる情報処理メカニズムが、いわゆるAI(人工知能になるのです。

AI研究が一時下火になったAIの決定的欠点とは

今ではAIの研究は盛んになり、人間の頭脳を上回り、それどころか人間がAIに支配される時代がそこまできているとさえ言われています。

実は、1950年代末には、人間と同等の知能をもつコンピューターをつくることなんか容易であると考えられていました。
まだ東京五輪前で、新幹線も開通していない時代。やっと関門トンネルが開通し、長嶋茂雄さんがプロ野球でデビューした頃の話です。

しかし、AIには決定的な欠点があり、それがネックになり開発は一時下火にもなりました。

AIの欠点、フレーム問題とは

そのAIの欠点とは、フレーム問題といわれるものでした。 私達が、犬をみれば、幼児でもすぐに見た瞬間に犬とわかります。

しかし、AIは犬を認識したときに、計算にあたり対象を厳密に定義する必要があるのです。
これを枠つまりフレームで囲って定義していくことからフレーム問題と言われています。

コンピューターは、犬というものに対して、この世界との関係のすべてを定義する必要がでてきてしまうのです。

犬は、動物である。
動物とはそもそも何?
4本足
足ってそもそも何?
尻尾がある
尻尾って何?

そんなところからすべてを定義しなければならないのですが、当然そんなことは不可能です。

こうしたフレーム問題がAIが発展する大きな妨げになったのです。

得意な計算や推論の分野で活路を見出されたAI

やがて、コンピューターが得意な計算や推論を重ねていくことで答えを導き出していくエキスパートシステムが開発され、コンピューターが専門家の能力が持てるものとしていろいろな企業で開発がはじめられました。

AIというと万能と思う人もいますが、そのデータを入力したりルールをインプットさせているのは人間です。

決められたルールの中では、無敵の威力を発揮するAIですが、人間の思考や行動は不確定要素も多く、ルールを超えたものに対しては答えが出せないのです。

初期の将棋ソフトなどは、予想しなかった手を打たれると、初心者でも打たないようなヘボな手を打ってきたり、意味のない手を繰り返したりします。

さすがにある一定レベルの将棋ソフトであればそんなことはないのですが、例えば藤井壮太さんの対局などで、相当不利と判断していた局面で、次の一手が指された瞬間、形勢が180度逆転してしまったりします。

つまり、プロの最高レベルの棋士が指す次の一手が予想できていなかったことになり、そういった面から、ルールの範囲内であれば抜群の記憶力と分析力で正しい答えが見つけられるものの、そのルールにないものに対しては全然ダメということなのです。

決められたルールの中では抜群の力を発揮するAI、AIと自然知能のそれぞれの特性を活かして、AIに使われるのではなく、うまく活用していけるようになっていくことを祈るばかりです。