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研究者や医師によっても捉え方が違っている『未病』とは

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テレビのCMなどでも『未病』という言葉を聞いたことがあるかと思います。

未病というと、最近CMで言い出した新しい概念のようなイメージもありますが、古代中国、時は今から2000年以上昔に既に提唱されていた概念なのです。

古くからあった『未病』という概念

中国の最古の医学書といわれる黄帝内経は、後漢中期ごろにまとめられたのですが、その中の素問・四気調神論の中に、次のような言葉があります。

『上工不治巳病、治未病』

どういう意味かというと、良い医者は、既にに病気になっているものを治すんではなくて、未病を治すものであるということになります。 つまり、古代中国、2000年以上も前から、医療の最終目標は、病気を治すのではなく、未病を治すところにあると考えられていたのです。

未病の定義

未病は、次のように定義することができます。

「健康ではないが、といってはっきりした病気に罹っているわけではない状態で、病気の前段階あるいは半健康な状態」

日本では、未病に関しての学会も設立されています。

日本未病システム学会

https://www.j-mibyou.or.jp/
 

www.j-mibyou.or.jp

日本未病システム学会が示している未病の定義では、「自覚症状はないが、検査値では異常があり、放置すれば重症化する場合をいう」としています。

しかし、この日本未病システム学会の定義は、かなり狭義での定義といえるかもしれません。 実際には、検査値に異常がなくても、自覚症状のあるものも未病といえるからです。

西洋医学には未病という概念はない

西洋医学では、「健康」「病気」というおとで2つの大きなカテゴリーに分けます。

もちろん西洋医学でも予防医学という考え方がありますが、予防医学は、健康な人が病気の状態になるのを防ぐということになっているので、未病という概念はありません。

西洋医学でも、例えば、高尿酸血症というようなものがあります。これは痛風になっているわけではなく、検査値が異常なだけで自覚症状がでていないという意味で、未病と似たような概念といえなくもないのかもしれません。

中国医学では、健康と病気の間には、いろいろな連続的な段階があると考えられ、そのさまざまな段階を未病としているのです。

本当のことを言うと、『未病』の定義はさまざま

未病の定義について説明してきて、日本未病システム学会の言う『未病』についても紹介してきましたが、実際、未病の定義そのものはかなりあいまいで、研究者や医者によっても捉え方が違っているのです。

未病の範囲というのは、健康から病気の間のグラディエーションのどの範囲になるのか、考え方によっても変わってきます。

ここまでが健康、ここからが病気、その間が未病というように、誰もがはっきりわけることができるというものではないのかもしれません。