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微量放射線とホルミシス

放射線は、物質の基本単位である原子が安定しようとする過程で、陽イオンと陰イオンに分かれて電子を放出するのですが、その変化していく過程で性質の違ういくつかの種類の放射線が放射されていきます。

ヒトは常に微量放射線を浴びている

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宇宙は放射線があふれていて、宇宙から降り注ぐ放射線を一次宇宙線といい、その主成分は高速の陽子になっています。

しかし、地球の地磁気や大気が障害となって、一次宇宙線はそのまま地球に降り注いでくることはありません。

一次宇宙線は大気に入ると酸素や窒素などの原子核と衝突を繰り返して核反応を起こし、そこで陽子・中性子・パイ中性子・ミュー粒子・電子・ガンマ線などの放射線が新たに生じ、これが二次宇宙線として地上に降り注いでくるのです。

一方、大地からの放射線は地球の内部に残る100種類以上の放射性物質によって出てきています。

土壌や岩石の中に含まれているカリウム40、ウラン、トリウムなどからガンマ線が放射されます。 花こう岩地帯はこうした元素が含まれているので、ガンマ線が多くなりますが、日本では火山灰地帯の関東地方よりも、関西や中国地方のほうが自然界の放射線の量は多くなっています。

このような自然放射線は、年間に平均2.4ミリシーベルトぐらい受け続けることになります。

放射線は必ずしも悪いものではない

放射線というと、浴びるとガンになりやすくなるなど、体の健康に対して悪影響を及ぼすというイメージがあります。

しかし人類は地球上において、常に自然界に存在する微量放射線を浴びてきました。

ホルミシス

ホルミシス(hormesis)』とは、放射線を多量に浴びると体に悪影響を及ぼす一方で、少量なら体に程よい刺激を与えて、生きる力を増す効果があるというものです。

ホルミシス』という言葉は、ホルモンと同様にギリシャ語由来で刺激する・興奮するといった語源からきています。

微量の放射線を浴びると、初めは少しの免疫抑制がみられます。

しかしその後、NK細胞などの古いリンパ球群が回復してきます。 初期には体のストレスになりますが、放射線量が少ない場合は、やがてその回復力が刺激となって免疫力が高まっていきます。 これがホルミシス効果です。

それではどのぐらいの微量の放射線量であれば、このホルミシス効果が期待できるかというと、いろいろと研究が行われていて、マウスを用いた実験で、9グレイで致死量、6グレイで免疫力が完全に低下するマウスにおいて、0.2グレイという少量の放射線を1日おきに4回放射線に当てるというごく微量の放射線の場合、免疫系に対して影響があったという結果があります。

今後の研究の進展が期待される分野でもあります。