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知られざる人を褒めて伸ばすコツ

人生において人を育てるという立場になることもあるかと思います。

子供のうちは、親や周りの大人たちに育てられて成長していくものですが、大人になるにつれ、自分が育てられる立場から、人を育てなくてはいけなくなっていきます。

 

そんな時、よく言われるのが『褒めて伸ばす』ということです。

職場では、「自分は褒められて育つタイプですから」などと平気でアピールする人もいるくらいです。

勘違いされている『褒めて伸ばす』

『褒めて伸ばす』というと、多くの人が、人間は褒めてやるとヤル気が出てきて成長していくものだととらえていると思います。

確かに、何か仕事をしてもマイナスのストロークばかりもらっていたら、そのうちにヤル気がなくなってしまうものです。 人のヤル気をなくすのは簡単なことなのです。

一方、プラスのストロークを受け続けていると、なんかヤル気が出てくるという経験をしたことがある人も多いと思います。

確かに、人間は褒められればヤル気がでてくるので、褒めて伸ばすことは大切だという見方もあるのですが、褒めるということは、そうした精神的なものばかりではなく、本当に脳の構造を変えて、より良い成長につながる可能性があるのです。

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褒められたら効果が出た

脳卒中の後遺症のある180人の患者さんに、歩行を改善するためのリハビリを行った際に、リハビリのあと褒められた患者さんは、褒められなかった患者さんに比べ歩くスピードが25%以上も速くなったという研究結果がでています。

これには、ヤル気だけでなく、人間の脳のしくみが大きく関係しているのです。

脳は常に褒められたがっている

脳には、 報酬系と呼ばれるシステムが存在しています。

人間は、行動をしたことによって何らかの欲求が満たされた時に、脳が活性化して気持ちいいという感覚を与えるというしくみが備わっているのです。

この時、脳では何が起きているのでしょうか。 喉が渇いているときに、冷たい水を飲むと、すごく美味しいと感じることがあると思いますが、このとき頭の中を「気持ちいいー」という感覚が駆け巡ります。

実は、こうした時に脳の報酬系が活性化されていて、ドーパミンが多く出されています。

つまり、褒めることによって、脳がドーパミンが出やすいように変化しているのです。

リハビリに話を戻すと、リハビリのあとに褒められると、それが快感となり、その快感をもっと得ようと、もっと早くあるけるように脳が変化していきます。

その結果、必要な神経回路が強化されていき、よりうまく歩けるようになっていきます。

つまり、脳はいつも褒められたがっているものなのです。

上手な褒め方

褒めるコツとしては、すかさずに具体的に褒め、目標は低くしておくことです。

例えば、歩くリハビリでしたら、かかった時間を測定し、昨日よりも少し速くなっていたら、「昨日より0.5秒速くなっていますよ。」とすかさずに、かつ具体的に褒めると良いのです。 また脳はつねに褒められたがっているということから考えても、目標は低めにして、段階的にハードルを上げていくことが良いのです。