『温室育ち』は、実は『温室育ち』じゃなかった
よく、考え方などが生ぬるい人のことを、『温室育ち』といったりします。
過保護に育てられたもやしっ子を連想する人も多いかと思います。
しかし、実は『温室育ち』は『温室育ち』ではないのです。
はぁ? 何を言ってるの? と思った方も多いと思いますが、文字通りの『温室育ち』は、実は植物にとってそんなに良い環境でも、過保護な環境でもないようです。
えええ? なんで?
その理由は、温度ではなく二酸化炭素にあります。
植物は夜中、二酸化炭素を出しています。温室内の二酸化炭素濃度はだいたい500ppmを超えると言われています。
ところが、お日さまが登ってくると光合成がはじまります。理科の授業でお勉強した、植物が二酸化炭素を使って酸素を出すというものですが、光合成により二酸化炭素が消費されることによって、温室内の二酸化炭素濃度は300ppmにまで落ちてしまいます。
温室という密閉された空間が、仇となってしまいます。通常は空気中に含まれる二酸化炭素濃度は350mmpなのでこれよりも少なくなってしまいます。
風が弱いなどの条件が重なると光合成すらできない100ppmまで二酸化炭素濃度が下がってしまうこともあります。