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一流のスポーツ選手は、体が弱い?

運動も過ぎたるは猶及ばざるが如し

 

体力がある人というと、すぐに連想するのがバリバリのスポーツ選手です。筋力はあるし、ちょっとやそっとでは風邪もひかないというような印象があります。
確かに、運動することは健康を支持するのにとても大切なことです。

 

ところが、運動をしすぎるは、健康維持という観点からみるとあまり好ましくありません。もちろん適度な運動は必要ですが、何事も過ぎたるは猶及ばざるが如しということになります。

 

運動をし過ぎると運動不足と同様、免疫力が弱まる

 

私たち人間の体は、上皮組織:結合支持組織:神経組織:筋肉組織が、普通一般の人で1:4:4:1の割合になっています。ところが運動を良くする人は、この中の筋肉組織の割合が増えてしまい、その分、結合支持組織が減ってしまいます。

この結合支持組織というのは、脂肪、筋膜や腱膜の結合組織、骨の支持組織などからなっていて、通常の運動であればこのうち脂肪組織だけが減っていきます。

 

しかし運動をしすぎると、脂肪組織だけでなく、リンパ球等も減ってしまい、その結果、免疫機能が低下して病気に対する抵抗力が弱まってしまいます。

過度な運動は、活性酸素を発生させるだけでなく、ウイルス等に対する免疫力も低下させてしまいます。

 

 

実際に、鉄人レースと言われるトライアスロン選手のリンパ球の数を競技後に調べたところ、ほとんどの選手が平常時の80%程度までリンパ球の数が減少していたという結果報告があります。なかでもウイルスを抗原する働きがあるリンパ球の一種であるNK細胞が半分近くにまで減ってしまいます。
トライアスロンは過酷な競技で、ショートトライアスロンですら、スイム(水泳)1500mの後、バイク(自転車)で40km、ランで10km走ることになります。

一流の運動選手ほど伝染病にかかった場合に死亡率が高いというデータもでています。


運動により活性酸素が出てくる上に、体の免疫機能が弱くなるということを考えると、運動も毎日無理をせず適度に行うことが大切だということがわかります。

 

年を取ってからは若い者と張り合わないことが大切

 

運動をしない方が、活性酸素も出ないし長生きできそうと思うかもしれませんが、厚生労働省研究班がまとめた研究結果によると、筋肉量が少ない高齢男性は、死亡率が約2倍にあがるという研究報告もあり、その原因として、筋肉量が少ないと免疫力や抵抗力が落ちて、肺炎などの呼吸器系の病気になるリスクが高まるのではないかとの分析がされています。

 

以上をまとめると、軽い運動は寿命の延長に影響する可能性が示唆されますが、激しい運動は心臓や血管などに過度の負担がかかるため、運動不足と同様にリスク要因になり得ます。


特に、歳をとってから若い者にはまだまだ負けんといって、若いころと同じような強度で無理な運動をすることは控え、年に見合った強度の運動をすることが大切でしょう。