子供や夜叱るなと言うけれど、本当にいいの?
叱るタイミングは、やはり悪いことをした時では
テレビを見ていると、先日早稲田大学理工学術院の研究グループが、子供は夜叱るより朝叱るべきという研究報告をしていました。
夜寝る前に子供を叱ると、体内時計が乱れ、良く眠れなくなるので体に良くないから、子供を叱るのであれば、朝起きたときに叱ったほうが良いというものでした。
確かに体内時計という観点からすると、それは正しいのかもしれませんが、なんか教育学者からはクレームがきそうな感じです。
教育上は、悪いことをしたらその場で叱ったほうが、子供のしつけという面で良いはずです。犬をしつける時も、悪いことをしたらその場で叱りますが、まさにそれと同じでしょう。
子供としては、悪いことをしたときに叱られなければ、その行為はしても叱られないんだなということがインプットされます。そしてもう悪いことをしたことを一晩寝て忘れた頃に、昨日したことについて朝から怒られるとなると、意味がわからなくなってしまいます。
なぜ、今頃怒るのだろうか、昨日は悪いことをしたかもしれませんが、叱られた時は何も悪いことをしていません。当然、今悪いことをしていないのに、なんで怒られなければならないんだ? ということになってしまいます。
部下のやる気を削ぐタイミングでの小言
会社の上司が部下を叱るというシチュエーションでも同じです。ミスしたときに叱られないと、また同じ間違いを繰り返すでしょう。
翌朝、さて、ミスのことは忘れて今日は1日頑張るぞ!と思っているときに、朝礼などでいきなり怒られたりしたら、せっかくのやる気も出鼻をくじかれてしまいます。
「それなら、その場で言えよな!」と部下の反抗的な態度をまねいてしまうことにもなりかねません。
怒られても怖くなくなるのは、ヒトが持つストレス耐性のおかげ
あくまでもマウスの実験なので、ヒトの場合はいろいろと複雑な社会活動をしているので、単純にストレスという現象だけでは片づけられない難しさもあるのでしょう。
一方、この研究では、物理的・心理的ストレスにより脳や末梢臓器の体内時計が激しく乱れることの他に、ストレスが繰り返されることにより、ストレスによる耐性が獲得され、ストレスで体内時計が乱れなくなることも新にわかりました。
これは、毎日毎日怒られている部下が、そのうち怒られなれてしまうということになるのかもしれません。
最初は怒られたときに怖いというような感情を持ったとしても、毎日毎日怒られているうちに、「あー、またか」というふうになってしまうというのは、ヒトがストレスに対する耐性を獲得していると言えるのかもしれません。