なぜオヤジはギャグを言いたがるのか
笑いは簡単でもあり難しくもある
笑いというものは実に不思議なものです。
本当に面白いおかしくて出る笑は、自然におこるものですが、一方、私たち人間は笑おうと思えばいつでも笑うことができるとも言われています。
面白い話を読んだり、楽しいことを思い出したり、場合によっては自分の失敗すら笑い飛ばしてしまうことすらできます。
テレビで芸人が人を笑わせようとしていますが、同じネタをやっているのに、なんかウケる時と、まったくもっとつまらないと感じることがあります。
同じ人間ですら、このようにそのネタを聴いた状況など、タイミングによって大きく違ってきますが、ましてや別の人となると、笑いのツボも違いますし、ある人が非常に面白いといって腹をかかえて笑い転げるような内容でも、今のネタのいったいどこが面白いの? といった場合もあります。
テレビでイロモネアという芸人がお客さんを笑わせるという番組をやっていますが、どの人がターゲットなのかわからないように無作為に抽出された5人を笑わせなければいけません。その人たちの顔をみていると、笑い転げている人がいる一方、ずっと苦虫をかみつぶしているような顔のままの人もいます。
そう考えると、人を笑わせるということは非常に難しい場合があります。相手は自分自身とは異なり、自分が面白いと思っていても、相手も同じように面白いと思うとは限りません。
会話もそうですが、自分の笑いをそのまま相手に押しつけただけでは、人を笑わすことはできません。だからこそ、たかが笑い、されど笑いということで、人を笑わせることが、お笑い芸人という一種の職業になっているのかもしれません。
迷惑に気づいていないオヤジたちのギャグ
そういう面では、「布団がふっとんだ!」みたいなダジャレを、得意げにいいまくるオヤジがいたりします。オヤジギャグといえば、まあオヤジの専売特許ということになりますが、面白くもないオヤジギャグを無理やり聞かされる若者はたまったものではない。
まず男性と女性の脳を調べてみると、よく言われるのが、左右の脳をつなぐ脳梁と呼ばれる連絡路の違いで、男性はこの脳梁が女性より狭くなっています。
このため、女性は言葉をすぐその意味に結びつけられるのに、男性は女性ほどうまくいかず、言葉の音をそのままとらえやすいと言われています。
そこで「音」を純粋に聞くことで、話の脈絡とは全然かけはなれた同音異義語をひらめき、そこからオヤジギャグが生まれると言われています。
そして、男性は男性でもなぜオヤジなのかというと、いろいろ人生経験を積んでいく中で、30歳~40歳になるころには、あらゆるものとものの間につながりを感じる能力が飛躍的に伸びてきます。
このものとものを結びつける能力、音をそのままキャッチする能力が故に男の年配者、つまりオヤジはギャグが得意ということができるのだと思います。
もし、オヤジギャグに笑ってくれる若い女性がいるとしたら、それはそのオヤジギャグが相当面白いか、あるいはその若い女性がよほどできた人であるかのどちらかになるのでしょう。