下町ロケット、最終回を見ての感想 60%をどう思いますか?
TBSの『下町ロケット』の最終回の視聴率が22.3%という高い数字を叩き出しました。
主演は阿部寛、6話からの後半では、「ガウディ計画編」として、直木賞作家であり、「半沢直樹」で一躍時の人となった池井戸潤氏が新聞連載していた「下町ロケット2 ガウディ計画」が原作となっていて、新聞の連載とともに同時進行で話しが進んでいった。
この『下町ロケット』ですが、なんとクランクアップが放映前日の12月19日の午前4時半過ぎと、ギリギリの制作だった。最終回の直前、19:00から新映像を加えた総集編があったのも視聴率を引き上げた要因であろう。
いろいろなテーマやメッセージが隠されたドラマ
非常に、自分の利益と良心の間で揺れ動く人間の心理が上手く描かれていました。人間の弱さ、強さ、良心・・・ いろいろなメッセージやテーマがあるドラマだったのではないでしょうか。
まさに、マンションの杭データ偽装問題、食品表示偽装問題、医薬品の臨床データねつ造問題、ワクチンの製造方法報告の虚偽問題、Japan品質が疑われる現代日本に、多くの問題を投げかけた作品だったのではないだろうか。
キャスティングも、俳優・女優陣はもちろん、タレントあり、アナウンサーあり、落語家あり、いろいろな分野の人が出演されていて、そういう面ではさすがテレビ局という感じでありました。
『下町ロケット』を見て、馬鹿らしい、どうせテレビ局が視聴率を狙ってつくった茶番劇! 馬鹿をいっちゃいけない。 拝金主義の資本主義社会日本、どんなきれいごと言ったって、金が大切。 みんな金が欲しい。きれいごと言って何が正義だ! 何が夢だ! ヘドが出る!
夢ですら金があれば買える時代さ!
小泉幸太郎さん演じる椎名が、地べたを這いつくばって生きてきたことがあるか? 無い奴に何がわかるか?
この言葉を聴いて、私は、フィリップ・マーロウの名言を思い出していた。
「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」
”If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.”
「金がなければ生きて行けない。正義がなければ生きている資格がない」
椎名が投げかけた、永遠のテーマ
小泉孝太郎演じる椎名が、「60%を高いと思いますか? 低いと思いますか?」
「助けられたはずの6人も助けられない」という内容の話は、確かに「それも一理ある」と妙に説得力がありました。
これに対し、阿部寛演じる佃は、そのことは永遠のテーマで医者だって技術者だってわからないとし、ただ、データをねつ造するような奴に語る資格はないとしながら、「1%だから死んでもしかたないなんて思う人間はどこにもいませんよ。」と一蹴。
う~ん、うまく答えられないことは、「みんな」もわからないとし、話しをしていく。議論のすり替えのような気もするのだが、まあ、椎名が投げかけた問題は、そんなに簡単に答えを出せるものでもないことは事実であろう。
世の中きれいごといっても、金が一文もなければどうやって生きてくんだよ!
ってなるだろう。
かといって、最近の日本では、真面目をバカにしたり、正義だ!愛だ!絆だ!夢だ! なんて言っている人のことを青臭いとかアホだとか言って馬鹿にする傾向がある。
こんな状態だから、日本人はどんどんと劣化し、今や経済では中国に抜かれ、国債の評価でも韓国以下!
欧米文化に毒され、スマホでゲームばかりやってるKYな人間が増え、他人に無関心になっている、そんな現代日本に、人間の本当の生き方の形というものを提案した作品ともいえるのかもしれない。