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Yes! No! はっきりさせられる人、判断が速い人のほうが仕事ができるというのは、大間違い

 

ビジネス書等を読んでいると、『仕事ができる人』は、決断力があって決断が早い、YesかNoか自信をもってはっきり断定できるといったようなことが言われていたりします。

果たして本当にそうなのだろうか?
私は間違っていると思います。

「決断が速い人は、仕事ができる」は大ウソ!

 

なぜならば、同じことを判断するときに、A君は10の情報を仕入れてきて、10の項目をジャッジして決断しました。B君は1000の情報を仕入れてきて、1000の項目を俯瞰的に判断し、かつリスクとベネフィットまで検証して判断しました。
A君は、5分で結論を出し、B君は1時間悩み結論を出しました。結論は同じ結論でした。

仕事ができる人は決断が早く、即決ができる人という観点からいくと、A君のほうがはるかに仕事ができるということになります。
しかし、本当にそうでしょうか? A君とB君が出した答えは同じであったので、同じ結果に速くたどりついたA君のほうが優秀で仕事ができるというのは間違いでしょう。

なぜならばその判断に達するまでの奥深さが全然ちがうのですから。
B君のほうがはるかに奥深いところまで考えているのです。そう考えると、B君のほうが仕事ができると言えないでしょうか。

まあ、A君が相当仕事ができる人で、情報を仕入れる時点で情報を取捨選択し本当に必要だと思ったよりすぐりの10個の情報だけにしぼり、かつ今までの知識と経験から右脳の直感で結果を導き出しているのだとすれば、A君のほうが優れているということになるのかもしれませんが。

「YesかNoか、結論をはっきり出せない人は仕事ができない」も大ウソ!

 

経営者に多いタイプとして、部下に、「これこれは、どうなんだ、Yesか? Noか?」
そして、部下が「え~と・・・」とか「実は、これについては・・・」と悩んだり、説明をしはじめると、いよいよもってイライラし、「馬鹿野郎、俺は時間がないんだ! 早くYesかNoかだけ答えろ!」と、こうせまるわけです。

よく欧米文化は、YesかNoをはっきりさせる文化とも言われていますが、世の中はいろいろなことが複雑にからみあって難しいことばかりです。

世の中は、そんなYesとNoだけで割り切れるほど簡単な世界じゃありません。

単純に白黒だけで判断できるものなんて皆無といってもいいでしょう。しかし、単純に判断したいからYesかNoかの答えだけ求めるのです。

こういう人に限って、それじゃ答えるほうも工夫して、「はい、原則はYesです。でも、この場合は問題もありまして・・・」と言おうとすると、「ああ、わかった! 君の結論はYes!だね」で終わってしまう。それに対する問題点やリスクも聞こうともせずに・・・

分かりやすく説明すると、「明日の天気は、雨かね」と聞いて、「ええと雨の確率はですね・・・」と正確に答えようとする人に、「馬鹿野郎、いいから雨かどうかだけ答えりゃいいんだよ!」と言っているようなものです。

つまり心理学的に言うと『白黒思考』です。
こういう人は、99点でも納得せず、マイナスの1点分を気にして、自分はダメだと落ち込んでしまったりもします。
確率という概念がなく、常に白か黒かで物事を考えてしまいます。

こういう考え方が、他人をみる目にも活かされると、どんなに素晴らしい人でも、1ヵ所気に食わないところがあるとそれで、白ではなく黒になってしまいます。グレーがないのですから。

天台宋の天海という僧の言葉に次のようなものがあります。

「成人とされる人でも完璧な人はいない。」

つまり世の中に完璧な人はいないので、何事においても完璧を求める必要はない。」ということです。

最終的には、YesかNoかを判断しなければいけないのでしょうが、これは頭の中で、グレーだけどもYesだとベネフィットやリスクがこうでといろいろいくつもシュミレーションした上で、それじゃ、総合的にはグレーだけども、いろいろなことを考慮したけっか、Yesという結論をだすことになりますし、場合によっては、条件によってはNoになるということになるのでしょう。

グレーを考えている人は、条件が変化したりしたときに対応できますが、白か黒かしかない人は、白なら白で突っ走っていってしまうということになりかねません。