世界的に大麻の非合法化の中、再燃するか東京五輪での大麻使用問題
スノーボードの未成年選手2人が2015年11~12月にアメリカ(コロラド州)に遠征した際に大麻を使用していたことが発覚し、競技者登録の無期限停止処分が科されることになり、強化指定からもはずれることになった。
スノーボードと言えば、有名な人気選手に平野歩夢選手がいますが、彼は大麻を使用した2人ではないことがわかっています。
ただし、平野選手は、スポンサーがついていて、そのスポンサーとの活動を優先しているため、行動や強化方針、活動などが拘束される強化指定は、自ら辞退しています。
いったい、選手の思うようにできない強化指定というのは何のためなのだろうか。
結局は、自分達の強化方針を押しつけているだけのような気がするのだが。
世界的には、大麻がOKなところも結構ある
さて今回の件で感じるのが、日本は世界的にみればまさにガラパゴスだということであります。
よく、ガラパゴス携帯なんていうことが言われますが、なにも携帯電話に限ったことではない。
スポーツ選手の大問題として、少し前にバドミントンの日本代表選手、五輪の金メダル候補とまで言われていた選手のカジノが問題になりました。
そして今度は大麻。
カジノも大麻も、日本でやると、これは立派な犯罪になってしまいますが、欧米の多くの先進国では、カジノOKとなっていて、カジノが合法でない国を探すのが難しいぐらいです。
さすがに大麻に関しては、カジノほどではありませんが、それでも合法とている国、非犯罪化した国は意外とあります。
オランダ、ベルギー、ドイツ、スイス、オーストリア、イタリア、スペイン、ポルトガル、チェコ、ロシア、オーストラリア、アルゼンチン、そしてなんとイスラム圏の国であるイランもそうです。
そしてリオ五輪があるブラジルも、大麻は非犯罪化しています。
アメリカでは、非犯罪化している州と、明確に非合法としている州に別れています。
コロラド州は、非犯罪化している州です。
コロラド州では2014年1月から大麻完全合法化となっていて、税収アップに貢献しています。
コロラド州では、21歳以上の成人であれば自己使用のために6本までの大麻草を栽培することができます。
日本であれば、当然大麻取締法違反となってしまい、実際には2014年にスノーボード全日本選手権の元王者が大麻取締法違反容疑で逮捕されたこともあります。
明確に大麻を非合法としているのは、北欧とフランス、多くの東欧諸国、ギリシャ、トルコ、イランを除く中東各国、中国、東南アジアの主要国、ニュージ―ランド、それに日本といったところです。
厳しすぎるのか日本の法律・ルール
バドミントン選手のカジノは、あれ日本の錦糸町でやったから問題なのであって、カジノが合法化されている欧米でカジノしても何ら問題はない。
今回、大麻をやったのは、19歳の少年ということで、やった場所がアメリカのコロラド州
大麻も、18歳以上は大麻合法となっているアメリカのコロラド州で、19歳の少年がやったからといって、何ら違法ではないし、法に触れる行為でもない。
だって、日本で大麻をやったわけじゃなくて、アメリカのコロラド州でやったわけだから。
21歳以上なら問題ないが、それ未満では娯楽用大麻はもちろん、たとえ医療用大麻であっても、購入したり少量所持することもできませんが、基本的には、健康上の問題や社会ルール違反として対処されるレベルの話になっています。
法的責任からいけば、日本での行為ではないので、大麻取締法は全く関係なく、それで罪に問われることはありません。
まあ、あったとしても米国コロラド州で、ちょっと注意勧告される程度でしょう。
問題は法的責任ではなく、スポーツ選手ということ
何がいけなかったかというと、彼らがスポーツ選手だったからです。
日本スキー連盟も属している日本体育協会の倫理規定ガイドラインでは、「アンチ・ドーピング及び薬物乱用防止について」という項目を設け、次のように規定しています。
アンチ・ドーピングの教育・啓発活動の積極的な展開を求めるとともに、麻薬や覚せい剤などは、いかなる目的であっても絶対に使用しないこと
もちろん、大麻はドーピングとして禁止されていますので、この規定を破ったわけであり、それなりの罰則を受けるのは当然のことでしょう。
世界ドーピング機構WADAでは、大麻に関しては、禁止薬物リストに含まれていて、競技期間中のドーピング検査で陽性反応が見つかった選手には2年間の出場停止処分が科されることになります。
しかし、競技期間外であれば、トレーニングキャンプ中や休暇中で大麻に陽性反応が出ても、選手が処分を受けることはありません。
ロンドン五輪のときは、大麻をドーピングの対象からはずすべきかどうかという議論が持ち上がったようです。
カジノはダメ、大麻はダメ、それどころか刺青があれば風呂もNG
それで、東京五輪だの、観光立国だの言うのだったら、少なくともそういうところを、世界標準に合わせるべきではないかという意見もでてきています。
いずれにしろ、郷に入れば郷に従えという言葉どおり、何も日本が世界標準に合わせることはないと思いますし、今回の場合は一般人、一般の観光客であれば問題なかったのでしょうが、スポーツ選手としては、いくら競技期間外の話とはいえ、業界で決めたルールはきちんと守るべきでしょう。
ましてや、11~12月といえばウインタースポーツのまさにシーズン。
競技期間だとすれば、WADAの基準からしても2年間の出場停止処分となるレベルの話になるのでしょう。