バナナが食べられなくなる日がすぐそこに?
バナナと言えば、疲れている時の栄養補給に最適な、低価格で高栄養の果物です。
また、水溶性食物繊維が豊富なことから、便秘にもよく食材です。
高カロリーですぐエネルギーに変わることから、体力の回復を促すため、疲れた時の栄養補給やアスリートたちにも好んで食されています。
「そのバナナが食卓から消える!」と言ったら、どう思われますか?
そんな、バナナーーーーー!
なーんて冗談、言っている場合ではない状況になっているのです。
世界中のバナナがどんどん枯れていく
しかし、このバナナが今、危機に直面していると言われています。
それが、『新パナマ病』です。
これは一言でいうと、バナナの木を枯らしてしまう感染病です。
特に日本の最大の輸入元はフィリピンで、90%近くをフィリピンから輸入していますが、そのフィリピンでは既に生産量が減少するといった影響が出てきています。
あれ!? バナナの木の病気だから「バナナ病」の間違いじゃないの? パナマと言ったら資産隠しで有名になったパナマ文書が有名なタックスヘブンの中米の国ではないだろうか?
いえいえ、「新パナマ病」でいいのです。
『新パナマ病』は毒性の強いカビが根っこを枯らしてしまいます。
一度蔓延すると何年にもわたって農地が汚染されてしまう厄介な病気です。
台風での洪水、農場を出入りするトラック、人の靴についた土などで、汚染がどんどん広がっていってしまうと言われています。
箱バナナは、ちゃんと運ばなな! なんて言っても、・・・
って、またオヤジギャグかーーーい!
は、さておいて、台風の洪水や農場出入りのトラックであれば、人間が注意するのにも限度があるというものです。
バナナは過去に一度、絶滅していた?
実は安価なバナナは、病気との闘いの歴史があり、100年余り前には、中米のパナマ周辺で確認されたバナナの病気が世界中に広がり、「パナマ病」と名付けられましたが、このとき流通していたバナナはほぼ絶滅したと言われています。
それじゃ、何で今、バナナがあるのかというと、バナナの木を枯らしてしまう「パナマ病」にかかりにくい品種を開発して、それが流通しているのだそうです。
しかし、今回の『新パナマ病』は、さらに感染力が強いものになっています。
国連食糧農業機関(FAO)によると、『新パナマ病』は台湾で見つかり、その後中国や東南アジアに広がって、中東やアフリカでも感染が確認されていると言われています。
実際に生産量も5年で20%以上も減っていると言われています。
もちろん、『新パナマ病』に強い品種を開発していますが、まだ実用化のメドは立っていません。
バナナは種から育てるのではなく、株分けで大量生産しているため、『新パナマ病』に強い新しい品種を開発し、実用化するにはかなりの時間がかかるとされています。
また、感染に強いバナナができても、形が悪かったり、味が単調だったりする場合が多くなっていて、早急な新しい品種バナナの開発がのぞまれるところです。