よく勘違いされている水虫ケアの常識とは
5月から6月に入っていくと、梅雨入りし、ジメジメした季節になってきます。
そうなると、患者が増加してくるのが『水虫』です。
実は、この水虫、日本人の5人に1人が罹患していると言われていますが、意外にもいろいろと誤解されているところが多い疾患でもあります。
水虫は一度かかると治らない?
いえいえ、結論を先に言うと、水虫は治ります。
しかも、2~3ヵ月で治ります。
こんなことを言うと、毎年梅雨時に入ってくると水虫に悩んでいるんだから、治るわけないよという人もいるでしょう。
実際に、毎年のように水虫のために皮膚科を受診したり、OTC医薬品をドラッグストアなどで購入している人もいます。
水虫が治るのだったら、なぜこうした毎年水虫に悩む人が大勢いるのでしょうか?
それは、適切な治療をしっかりとしていないからです。
水虫は適切な治療をきちんと継続すれば、たいていは2~3ヵ月で治ります。
水虫の治療で間違いやすい点とは
水虫は正しい治療さえすれば、2~3ヵ月でほとんどのケースで治りますが、この正しい治療について、いろいろと誤解があるようです。
まずは、水虫は塗り薬の場合が多いのですが、塗布する量が足らなかったり、途中で自己判断で水虫薬を使うのをやめてしまったりする人が多く、こうした中途半端なケアが、治らない水虫をもつ患者が増える原因になっています。
水虫薬は広めに
水虫薬には抗真菌薬が用いられますが、塗るときは少し広めに塗ることが大切です。
図のように、足の裏全体に加えて足の縁、指の間や指の上の部分、踵はアキレス腱のあたりまでしっかりカバーするように塗ります。
感覚的には、足の甲以外は全て塗るぐらいに考えても良いかもしれません。
足ふきマットは消毒したほうがいいの?
神経質な人は、水虫がうつらないように足ふきマットもこまめに消毒したりしますが、どうなのでしょうか。
確かに、マットを消毒用エタノールなどで消毒したほうが、水虫の原因となっている真菌に対して殺菌効果があるので、効果はあるのですが、経済的な面を考えると、ここまでやらなくても大丈夫でしょう。
もちろん足ふきマットやスリッパは清潔にしておくことが大切で、履き物も通気性が良いものに替えると良いでしょう。
履き物については、脱いだ後に乾燥させておくようにすると良いでしょう。
というのは、水虫菌は、足に付着しても角質に侵入するまでには24時間かかると言われているので、毎日入浴するときに足をしっかり洗っていれば、足に付着した水虫菌は落ちてしまいます。
足を洗うときは、指の間までしっかり洗い忘れの内容にすることが大切です。
足を丁寧に洗うというと、力まかせにゴシゴシ洗う人がいますが、やりすぎると角質が傷つき、かえって水虫菌に感染しやすくなってしまうので、ゴシゴシ洗うのではなく、石鹸でやさしく洗うようにすることが大切です。