朝食を抜くと心疾患になりやすいのか?
食育白書によると、朝食を毎日食べるという人の割合は、85.3%になっていますが、特に男性の20代、30代、40代で朝食をほとんど食べないという割合が多くなっています。
一方で、朝食を毎日食べることは、生活のリズムがとれるので良いとする人が74.1%、体調に良いとする人が55.0%と、朝食を毎日食べることには、体調や生活の質の向上につながっているとしている人も多い結果になっています。
朝食を抜くことは、心疾患による死亡リスクを上げるという研究報告
米国心臓協会が発行している「サーキュレーション」という雑誌に、 「朝食を食べないのが習慣になっている男性は、朝食をしっかりと食べている男性にくらべて心疾患を起こすか、冠動脈疾患で死亡するリスクが27%も高かった」 ということを発表しています。
朝食抜きの食習慣は、高血圧・肥満・糖尿病のリスクを上げ、その結果冠動脈疾患の増加につながったようであるとの結論を出しています。
調査法は、食生活やライフスタイルに案するアンケートを45歳~82歳の男性医療従事者2万6902人に対して行っています。
本当に朝食を抜くことが心疾患による死亡リスクを上げるのか
これは、朝食抜きかどうかでみた場合の結果であるが、他の因子も十分に影響を及ぼしていることが示唆されています。
つまり、朝食抜きのグループの人は、若年者でフルタイム勤務であったり、飲酒や喫煙量が多い、運動量が少ない、独身でストレスがかかる激務をこなしているといったことで、健康的な生活習慣にかまっていられない、あるいは気にしていない人に典型的なイメージが浮かび上がってきます。
実施、寝る直前に夜食を食べる習慣がある男性は、夜食を食べない男性に比べて55%も冠動脈疾患発症のリスクが上がるという研究報告がありますが、このうち8割近くはきちんと朝食を食べていました。
つまり、以上の結論からいうと、朝食を抜いたkラ、それが冠動脈疾患につながるということは言えないでしょう。
むしろ、朝食抜きに代表されるようなアンバランスな食習慣全体が危険因子であり、寝る直前の夜食、飲酒、喫煙、ストレスといったものが総合的に関与しているのではないかと考えられます。
朝食を抜くことは、健康につながるのか
朝食を抜くことが心疾患や冠動脈疾患につながるという因果関係は、どうもなさそうな感じであります。
一方、朝食抜き健康法といった感じで、健康のために朝食を抜くことを推奨する人もいます。
巷には、いろいろな健康法の情報があふれていて、どの健康法がエビデンスがしっかりしているのかもわかりにくくなっています。
朝食抜き健康法は、午前中糖質不足になるという意見もありますし、長期間の大規模試験で朝食抜きが疾病予防に効果的であるということが証明されているわけでもありません。
正直いうと、朝食を抜くのがいいのか、抜かないほうがいいのかだけを考えても、それぞれ指示する報告・論文はあるものの、決定的なエビデンスとなるものはなく、結論は出ていないのでしょう。
個人個人の生活のリズムや、事情があるのかもしれません。
朝食を抜いている人は、なぜ朝食を抜いているのかを考えてみることも大切なのかもしれません。