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ニキビに使われる排膿散及湯

いろいろある、ニキビに効く漢方薬

処方箋なしで薬局やドラッグストアで購入できる漢方薬を調べてみると、パッケージの効能に「にきび」と記載があるものだけでも、荊芥連翹湯、桂枝茯苓丸、桂枝茯苓丸料加薏苡仁、清上防風湯、大黄甘草湯、調胃承気湯、防風通聖散、麻子仁丸があります。これ以外にも、化膿性皮膚疾患の効能を持ったものになると、排膿散及湯の他に帰耆建中湯、荊防敗毒散、十味敗毒湯、千金内托散、排膿散、排膿湯があります。

大人ニキビなら、排膿散及湯

これだけ多いと、どの漢方薬にしたらよいか、迷ってしまいそうになります。
ニキビの治療に用いられる漢方薬としては、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)や、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)などが有名ですが、大人ニキビの悪化のもとでもある膿に対しては、排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)が一番適しているといっても良いでしょう。


排膿散及湯の証

一般用医薬品における「排膿散及湯」の効能を見てみると、「化膿性皮膚疾患の初期又は軽いもの、歯肉炎、扁桃炎」となっています。
一方、漢方薬の場合は、一般用医薬品と病院から処方箋によって出される医療用医薬品の成分的違いはありませんが、医療用医薬品の効能効果を見てみると、「患部が発赤、腫脹して疼痛をともなった化膿症、瘍、せつ、面疔、その他せっ腫症」となっています。

これら排膿散及湯の効能をまとめてみると、口腔・歯肉粘膜も含めた皮膚・粘膜の化膿性疾患において、初期・中期の化膿を抑え、消炎・排膿作用になります。
排膿散及湯は、ニキビによる皮膚の化膿に対して解毒作用、発赤などに対して熱を抑える清熱作用を持っています。さらに排膿作用に加え、痛みを抑える働きもあるため、特に化膿して膿がでていて痛みもあるようなニキビに効果があります。

副鼻腔炎にも使われる排膿散及湯

医療用医薬品としての排膿散及湯を調べてみると、「患部が発赤、腫脹して疼痛をともなった化膿症」というものがあり、副鼻腔炎にも利用できることがわかります。
副鼻腔炎と言えば、感染などにより鼻の副鼻腔と言う部位に炎症が起きてしまう病気です。
風邪などで鼻腔感染により炎症が起こり、鼻が詰まったり、嫌なニオイがしたりします。原因は風邪による感染だけでなく、花粉やカビなどが原因で鼻腔が炎症を起こし、それが奥の副鼻腔の炎症を誘発したりします。
ニキビと副鼻腔炎では全然違う病気のようですが、漢方での治療は排膿散及湯を使うというのは面白いところです。
副鼻腔炎の排膿散及湯を使った治療は、実際に臨床の場では、体力中程度の患者の皮膚・粘膜の可能性疾患に用いられていて、粘膜においては鼻腔・副鼻腔・歯肉の可能性疾患の発症初期・中期、化膿の抑制、再燃時などに、消炎・排膿の効果を期待されて処方されます。