超レアキャラの竹の花・竹の実
たけのこの旬と言えば4~5月、まさに筍が美味しい季節です。
筍は、「雨後のタケノコ」という言葉があるとおり、雨の後に特にたくさん出てきてものすごい勢いで伸びていきます。
4月~5月の雨は筍を成長させる恵の雨とも言えるのです。 筍は春を代表する食材で、その独特の歯ごたえと旨みで、日本料理はもちろん中国料理などでも幅広く使われます。
ところが筍は食べても、竹はあまり食べません。柔らかくて美味しい筍が、とても噛めないどころか、竹刀の原料にもなる丈夫な竹に育っていくのです。
筍から竹へ
4月~5月に土の中から顏を出した筍は、最初は皮をかぶっています。
そしてその皮は成長して背が伸びていくたびに自然と一枚一枚はがれ落ちていきます。
全ての皮がはがれ落ちるのには約1ヵ月かかりますが、この皮がすべてはがれた状態が、筍から竹になった境目になります。
つまり皮を脱ぎ捨てて大人になっていくサナギから脱皮した蝉のようなものでしょうか。
まさに破竹の勢いとは竹のこと
「破竹の勢い」という言葉があるとおり、4月~5月、特に「雨後のタケノコ」と言われるとおり雨上がりにたくさん出てくる筍は、みるみるうちに生長し、あっという間に立派な竹になっていきます。
どのぐらいみるみるうちにかというと、1日に約1mも伸びていきます。かなりのスピードです。 そして6月には竹の伸びは止まってしまいます。
さらに11月には、地面の下で竹を支える地下茎の成長もやめてしまいます。
葉の光合成で作られた養分は、地下茎に貯めておいて、次春に、地下茎の節から筍がいっせいに顏を出して成長していきます。
贈る言葉にも使われる竹の節目とは
竹の特徴として「節」があります。竹は勢いよく伸びていきますが、やみくもに勢いよく上へ伸びていったのでは、自分自身を支えきれなくなってしまうため、節目があると言われています。
節目があるからこそ、上手にしなやかになり、雪が積もってもしなって折れたりしません。 こういった意味から、これを人生の「節目」になぞられて贈る言葉として竹が引き合いに出されることもあります。
竹の節目の数は筍を見ればわかる
竹は、子孫を残すためにもその地下茎は横にどんどん伸びて、陣地取りをしていきます。そして伸びた地下茎からエネルギーを得るために、地上部に節目をもったいわゆる地上に見えている竹の部分がでてきます。
しかしそこは既に竹林になっていて、太陽の恵みを得るためには、ものすごいスピードで伸びていき、早く周りと同じような高さになっていかなければなりません。
だから竹の成長速度はものすごく速いのです。
そして、竹は木の年輪が歳をとるごとに増えていくのとは異なり、もともと筍に節があり、この数は増えません。 普通の植物は、伸びていくときの成長点は木の幹や枝の先端部分だけですが、竹の場合は例えば節が30節あったならば、それぞれの節が成長していくことで、30倍ものスピードで成長していくことができるというわけです。
竹の花、竹の実は超レアキャラ
竹って花を咲かせるの?と思った人も多いかと思いますが、実は竹の花は100年~120年に1度しか咲かない超貴重なもので、しかも竹の花が咲いたあとは竹林が全て枯れてしまいます。
実は、地上に何本も生えている竹は、地下茎で一つにつながっていて、いわば運命共同体と言えるのです。そして、100年なり120年の寿命を終えるときに、次の世代に命をつなぐために、花を咲かせ、実を結ぶのです、 竹の花の花色は、竹の種類によって、 薄緑色、濃緑色、茶色、紫色など様々ですが、派手な色ではありません。
竹の実となると、竹の花よりもさらに超レアキャラで、竹の花が実をつける確率は数千分の1と言われています。
そんなレアキャラの竹の花の花言葉は、「節度」「節操のある」です。節をもった竹らしい花言葉です。