これから忘年会や新年会など何かとお酒を飲む機会が増えてくる季節。
お酒が好きな人にとっては、酒を飲む口実ができてうれしい季節かもしれません。
一方で、つきあいが広い人などは毎日のように何かの飲み会などに誘われて、体が悲鳴をあげてしまう人も多くでてくる季節でもあります。
酒癖が悪い人だと、なにかと他人にからみ、嫌がられる人もいて、酒は体に悪いというイメージとともに、酒は悪だのように言われたりもします。
「酒は百薬の長」は呑兵衛さんの免罪符?
昔から「酒は百薬の長」という言葉があり、呑兵衛さんはこれを口実にお酒を浴びるように飲んだりする人もいます。
しかし、お酒は健康に良くないとして煙草とともに、止めれれば止めるにこしたことがないと言う人もいます。
「酒は百薬の長」は、中国古代の史書である『漢書』に出てくる有名な言葉です。 「お酒はたくさんある薬の中でも最もすぐれたものである」というわけです。
美味しいお酒を飲んで、薬よりも優れているのなら、こんないいことはないのですが、飲みすぎは体に悪いとされています。
国立がん研究センターの研究によると、1日当たりアルコール量が日本酒で1~2合の飲酒をする人は、食道がんが4.6倍、大腸がんが2.1倍になるという結果がでています。
また、過度の飲酒で、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病のリスクもアップします。
少量の適度な飲酒であれば、酒は百薬の長 薬も飲み過ぎるといろいろ副作用がでてきてしまうのと同様に、お酒も適量であってアレルギーでなければ、むしろ体に良い側面もあります。
たとえば、少量のワインであれば、体重増加を促進するのではなく、むしろ反対の効果が期待できるということがスペインの研究でわかっています。
エタノールの作用で、動脈硬化を予防するためのHDLが増加する作用が期待できます。
お酒の適量とは
厚生労働省は、1ドリンクという単位を用いて、男性であれば平均4ドリンク、女性であれば2ドリンクを超えないようにということで過度の飲酒をすることがないように啓発しています。 1ドリンクとは、100%のアルコール10gに相当するものです。
1ドリンクの目安としては、ビールや発泡酒であれば、250mLのロング缶半分、酎ハイであれば180mL、日本酒であれば0.5合になります。
純アルコール約20gの目安として、ビール中ビン1本で疲労回復、日本酒1合弱、ウイスキーダブル1杯、ワイングラス2杯弱で抗酸化効果が期待できます。
もちろん、週に2回、休肝日をつくって肝臓を休ませてあげることはもちろん、少量の飲酒にとどめるのが、酒は百薬の長の恩恵を受けられる飲み方になります。