アトピー性皮膚炎は、汗をかいたほうがよくなる
皮膚が痒い(かゆい)と、うっとうしくてついつい掻(か)いてしまいます。
しかし、痒い皮膚を掻いてしまうと、皮膚が刺激に対して敏感になり、より痒くなってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
成人にも意外と多いアトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の患者数も年々増加傾向にあり、厚生労働省の平成26年の患者調査によると、アトピー性皮膚炎の総患者数は推計45万人いると言われています。
これとは別に、厚生労働科学研究では、2006年から2008年にかけてのデータですが、成人のアトピー性皮膚炎有症率について、次のようなデーターも出ています。
アトピー性皮膚炎の年代別有症率
20歳代 10.2%
30歳代 8.3%
40歳代 4.1%
50~60歳代 2.5%
アトピー性皮膚炎というと子供の病気というイメージもありますが、特に20歳代の女性の有症率も高く、30歳代の若い成人いおいても頻度の高い皮膚疾患である可能性が示されています。
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopic_GL2018.pdf
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アトピーの人は汗をかいたほうが良い
若い成人にも意外と多いアトピー性皮膚炎ですが、皮膚が痒くなったときの不快感、ついつい掻きたくなる衝動に悩まされている人がそれだけ多いことになります。
アトピー性皮膚炎の場合、汗をかくと悪化してしまうというイメージがあり、アトピー性皮膚炎の人は汗をかくことを恐れて、運動を控えたりします。
しかし、そのイメージとは逆で、汗を十分にかかないと、アトピー性皮膚炎の症状が悪化する可能性があるのです。
汗をかかないアトピー性皮膚炎の患者
アトピー性皮膚炎の患者さんは、健常人に比べて汗の量が少ない傾向にあることがわかっています。
汗の量が少ないとどうなるかというと、汗による気化熱により皮膚にたまった熱が発散されるのですが、それが発散されず中に熱がこもってしまうことになります。
その結果、肌が痒くなりやすくなってしまうのです。 また、アトピー性皮膚炎の人は、自律神経、中でも交感神経の乱れが起こり、それにより発汗機能が低下します。
アトピー性皮膚炎という状態
アトピー性皮膚炎になっていると、肌のバリア機能が損なわれ、角質の水分量が低下してきます。 そしてその角質の水分量は発汗の影響を受けるということが証明されています。
なぜならば、放置していると、それが痒みを引き起こすことがあるからで、汗をかいたら速やかに洗い流すことが大切です。 すぐに洗い流せないといった場合は、おしぼりなどで拭きとるとよいでしょう。
汗をかかないことによる影響
汗をかかないとどうなるのでしょうか。
汗は、保湿作用、感染防御作用、体温・皮膚温度の上昇作用などがあります。
つまり、汗をかかないでいると、保湿作用が弱くなり肌の乾燥につながりますし、細菌などの感染がおこりやすくなります。
また体温や肌の温度が上昇することによる刺激で痒みが増してしまいます。
汗はかいたほうが良いのだが、一点だけ注意が必要
汗はかいたほうが良いのですが、1つだけ注意が必要です。 それは、汗をかいたらそれをそのまま放置しないということです。 皮膚が痒い(かゆい)と、うっとうしくてついつい掻(か)いてしまいます。 しかし、痒い皮膚を掻いてしまうと、皮膚が刺激に対して敏感になり、より痒くなってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
アトピー性皮膚炎の患者さんは、健常人に比べて汗の量が少ない傾向にあることがわかっています。
汗の量が少ないとどうなるかというと、汗による気化熱により皮膚にたまった熱が発散されるのですが、それが発散されず中に熱がこもってしまうことになります。
その結果、肌が痒くなりやすくなってしまうのです。
また、アトピー性皮膚炎の人は、自律神経、中でも交感神経の乱れが起こり、それにより発汗機能が低下します。
アトピーの場合は、しっかりと運動をして汗を出し、汗をかいたら速やかに洗い流すか、おしぼりで拭きとることが大切です。