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ノーベル医学生理学賞受賞の大村智さんを培った言葉と精神

 

ノーベル医学生理学賞に北里大特別栄誉教授の大村智氏が輝きました。
業績は「寄生虫による感染症マラリアの新治療法の発見」ということで、

大村さんとキャンベルさんは、寄生虫病の治療薬「イベルメクチン」の開発により、患者の2割が失明する恐れがあるとされる「河川盲目症(オンコセルカ症)」の治療で、年間3億人に使われて患者を失明から救っていることが評価されました。

屠さんは、マラリアの治療薬を探すため、伝統的な薬用植物を研究して、キク科の薬草から「アルテミシニン」を単離し、それがマラリアの治療に有効であることを示した功績が評価されました。

大村さんを培った言葉

 

大村さんは、いろいろと異色な経歴の持ち主で、「イベルメクチン」の開発のもととなった微生物を、趣味のゴルフで訪れた、ゴルフファンならほとんどの人が知っている名門、静岡県伊東市の川奈ゴルフ場で採取した土からみつけた。

常に、気になることがあったら、心にとめておくということが大切だということなのでしょう。

祖母から教えられた「世のため人のために働きなさい」

 

大村さんは、会見で「私自身は微生物がやってくれた仕事を整理しただけ。科学者は人のためにやることが大事だ、という思いでやってきた。」と述べているが、まさに『科学者は人のためにやることが大事』ということがノーベル賞の受賞につながっていったのでしょう。
小さいときに、「世のため人のために働きなさい」という祖母の言葉がこうした精神を産んだのかもしれません。

大学の恩師から学んだ「違うことをしなければいけない」

「勉強したいなら大学に行ってもよい」と言われ猛勉強するかたわら、好きだったスキーはやめずに1日3時間の睡眠で、山梨大学芸学部自然科学科に進学。大学で過酷なトレーニングに耐え、そこで「体力的にも精神的にも厳しい環境に身を置くこと、人まねをしないことの大切さ」を学んだといいます。

 

やり方をまねているだけでは先生を超えられない。だから「違うことをしなければいけない」。このとき培った精神が、のちの研究人生を大きく開花させていった。


異色の経歴をもつ努力家

 

ノーベル医学・生理学賞の受賞者としては異色の経歴をもつ大村さん。農家の長男として生まれ、大学はなんと山梨大学芸学部自然科学科であり、医学部でも薬学部でもない。

大学卒業後は東京都立墨田工業高校の夜間部で教壇に立つかたわら、猛勉強し、東京教育大の研究生を経て、東京理科大大学院の修士課程に入学し勉強し、自宅へ戻る暇はなかったという。

大村さんの信条「言うだけでなく、実行しなくては駄目」

大村さんは、周りへの気配り、思いやりの心を大切にしていて、実際に故郷の山梨県で科学スクールを開き、美術館や温泉施設を建てる社会活動にも取り組んできています。

 

そして、信条である「言うだけでなく、実行しなくては駄目」は、異色の経歴を持ちながら、常に努力を重ねてきた大村さんだからこそ、重みをもってきます。
睡眠時間を削ってまで、高校での教壇生活と、東京理科大での研究生活の二足の草鞋、大学時代に厳しいクロスカントリーのトレーニングの中培ってきた根性が、大村さんの原動力なのかもしれません。

 

 

そして「世のため人のために働きなさい」という精神のもと、「違うことをしなければいけない」というブレない信念と努力、「言うだけでなく、実行しなくては駄目」という信条をもった大村さん、人と違うことをするということは、真似することとは違い、自分で考えて、それを行動に起こしていく力が必要となってきます。

 

 

これはクロスカントリーだけにとどまらず、科学の研究だけにもとどまらず、多くのことに言えることでしょう。
そして、一流の人というのは、人真似ではなく、自分で考えていくという力をもっているものです。

 

今回の大村さんの受賞、いろいろと私たちにも考えさせられるキーワードがいっぱいのような気がします。

 

「世のため人のために働きなさい」


「違うことをしなければいけない」


「言うだけでなく、実行しなくては駄目」

 

 

大村智 - 2億人を病魔から守った化学者

大村智 - 2億人を病魔から守った化学者