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卵の強度測定問題の思考プロセスと引き出すの増やし方

思考力を鍛え、その引き出しを増やす問題として、Googleの入社試験にも出たと言われている有名な卵の問題とその応用問題をご紹介します。

有名な「ビルの何階から落とすと卵が割れるかを卵を2つだけ使って調べる回数の問題」です。

卵の強度を調べる問題(その1)

実際に、ネットなどでGoogleの入社試験にも出たとされている問題です。
どのような思考のプロセスを経て正解にたどりついていくかをご紹介します。

【問題】

あなたは卵の強度テストを任されることになりました。
その方法は、卵を100階建ての建物から落とし、何階までなら割れないかを確かめます。
同じ強度の卵を2つ渡され、この2つを使って、なるべく少ない試行回数で卵が割れない最高の階数を見つけてください。

だだし、卵は落として割れなかったら、その卵を何回でも再利用できます。
もちろん卵は全く同じ強度で、何回落としても、その強度は変わらないものとします。

【正解と解説】

数学科専攻の人や、数学が得意な人であれば、log2が出てくる無限級数であるメルカトル級数を利用して、法則性を見つけ出して解いていくという方法がありますが、ここではそんな難しい専門的な知識なしで解いていく方法を解説します。

 

卵が1つだけの場合は、1階から順番に落としていき、割れなかったら2階、さらにそこでも割れなかったら3階というように、1階から順番に試していく必要があるため、最大試行回数は100回になってしまいます。


しかし、卵が2つある場合は、1つ目の卵を、何階かごとに落としていき、大雑把に検討をつけることができます。

 

100=10×10であるので、10階ずつ区切って1つ目の卵を落としていけばいいかなと見当をつけます。


つまり、10階ごとに1つ目の卵を落とし、10階で割れなかったら20階、20階で割れなかったら30階というように、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100階を調べます。

 

もし、30階で割れずに40階で割れたとすれば、残ったもう1つの卵で、31階から39階まで、1つずつ階数をあげて割れるところを調べていけば随分と試行回数が節約できそうです。

この方法で行うと、最大試行回数は、100階で割れずに99階で割れた時になり、1つ目の卵の試行回数が100階で割れなかったことも含めて10階、2つ目の卵で91階から99階まで調べることになるので9回、合計19回の試行回数が必要になります。

ここまではすぐに思いつくと思います。

 

ここで、一番試行回数が少なくするには、調べる試行回数を一定にしてあげることが大切になってきます。

 

すると例えば、最初は10階、次は20階ではなく19階、その次は30階ではなく28階というように、区切る階数を1つずつ減らしていく必要があることに気づきます。

つまり、最初はN階から落とし、その次はNー1階から・・・というようにしていくと、最大試行回数がN回で調べられるということがわかります。

 

つまり、

(N+(Nー1)+(Nー2)+(Nー3)+ ・・・ + 1) ≧ 100


この式に当てはまる最小の整数Nを計算すれば、それが最大試行回数になります。

式を整理すると


(N+1)× N/2 ≧ 100

 

つまり、N×(N+1)≧200 となりますので、該当する最小整数Nは、14になります。

 

答えは、最大試行回数は14回

 

具体的な方法は、1つ目の卵を、14、27、39、50、60、69、77、84、90、95、99、100階から落としていき、割れた時点で1つ目の卵は終了。あとはその間を2つ目の卵で調べていきます。

 

例えば、77階では割れず、84階で割れたのであれば、78階から83階までを2つ目の卵で調べますが、78階から卵を落としていき、割れなければ1階ずつ上げて調べていけばいいのです。


例えば、83階で初めて割れる卵の強度であれば、1つ目の卵で14、27、39、50、60、69、77、84階の8回試行し、さらに2つ目の卵で、78、79、80、81、82、83階と6回試行しているので、合計8+6=14回の試行でわかることになります。

卵の強度を調べる問題・応用問題(その2)

卵の問題の応用問題
さて、今度は応用問題に挑戦してみましょう。

今までの問題の知識や、解法の引き出しを利用して、さらに応用問題に挑んでみましょう。

【問題】

さて、応用問題です。
あなたは卵の強度テストを任されることになりました。
その方法は、卵を100階建ての建物から落とし、何階までなら割れないかを確かめます。
今度は同じ強度の卵を3つ渡され、この3つを使って、なるべく少ない試行回数で卵が割れない最高の階数を見つけてください。

 

だだし、卵は落として割れなかったら、その卵を何回でも再利用できます。
もちろん卵は全く同じ強度で、何回落としても、その強度は変わらないものとします。

【正解と解説】

今度は卵が3つ使えます。
考え方は、卵が2つの時と同じです。
そこで、(N+1)× N/2 ≧ 100の式を応用して、視点をちょっとずらして考えます。

 

卵が3つ使えるのであるから、1つ目の卵で大雑把に区画分けして検討をつけ、その区画を2つ目と3つ目の卵で調査していけばいいことになります。

 

ということで、後ろから考えていきます。
2つ目と3つ目の卵で、何階分までなら、最大試行回数がN回で済むのかを逆に割り出していきます。

 

最大試行回数をN回、N回で測定可能な階数をxとします。
すると
(N+1)× N/2 ≧ x の式で計算できます。
変形してみると
N(N+1)≧2x

N=10のとき、x=55
N=9のとき、x=45
N=8のとき、x=36
N=7のとき、x=28
N=6のとき、x=21
N=5のとき、x=15
N=4のとき、x=10
N=3のとき、x=6

 

ここで、卵が2つのときと同じ考え方で、一番試行回数が少なくするには、調べる試行回数を一定にしてあげることが大切になってきます。

 

つまり、1つ目の卵の試行回数が1つ増えるごとに、2つ目と3つ目での試行回数が1つ減るようにしていきます。

 

1つ目の卵を落とす階の間隔を、Nの時のx、Nー1の時のx、Nー2の時のx、・・・にしていけばいいのです。

 

具体的には、次のようになります。

 

100階を2つに分けて考えた時、1つ目の卵を落とす階は、55、100階になります。


この時のトータルの最大試行回数は、1+10=2+9=11回になります。
100階を3つに分けて考えた時、1つ目の卵を落とす階は、45、81、100階になります。


この時のトータルの最大試行回数は、1+9=2+8=3+7=10回になります。
100階を4つに分けて考えた時、1つ目の卵を落とす階は、36、64、85、100階になります。


この時のトータルの最大試行回数は、1+8=2+7=3+6=4+5=9回になります。


100階を5つに分けて考えた時、1つ目の卵を落とす階は、4つに分けた時と比べて、2つ目・3つ目の試行回数を1つ減らすと、28、49、64、74、80、・・・となってしまい100階到達しないので、全体の試行回数が増えてしまいます。

 

従って、最大試行回数は9回


1つ目の卵を落とす階は、36、64、85、100階になります。
2つ目の卵を落とす階は、(8、15、21、26、30、33、35階)+(43、49、54、58、61、63階)+(70、75、79、82、84階)+(90、94、97、99階)になります。


残りは、3つ目の卵で調査します。

 

例えば、62階が卵が割れる最小階だったとします。
すると、1つ目の卵は36階で割れず、64階で割れますが、ここで既に2回試行しています。


次に2つ目の卵は、43、49,54,58、61階で割れず、63階で割れますが、これを確認するには、6回の試行が必要です。


最後にまだ割れていない3つ目の卵で62階で割れるかどうかをチェックするのにもう1回の試行が必要になります。


つまり、全体での試行回数は、2+6+1=9回となり、導いた解答と一致しています。

 

同様に1番試行回数が多くなりそうな99階でもみてみましょう。
すると、1つ目の卵は36、64、85階で割れず、100階で割れますが、ここで既に4回試行しています。


次に2つ目の卵は、90、94,97階で割れず、99階で割れますが、これを確認するには、4回の試行が必要です。


従って、全体での試行回数は、4+4=8回になります。

 

もし、98階であれば、97階で割れ、99階で割れないことを確認し、さらに3つ目の卵で98階で割れるかどうかを確認しなければならないので、もう1回試行回数が多くなり、全体での試行回数は9回になり、導いた解答と一致しています。