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EPA・DHAの肥満に対する効果

 

京都大学の研究グループが、EPADHAを含有する魚油を摂取することで、脂肪燃焼細胞である褐色脂肪細胞の増加を促し、その結果、体脂肪を減少させ、体温も上昇させるというマウスによる動物実験結果を公表しました。

つまり、マウスでの実験ですが、EPADHAを摂取することで、体脂肪が減少し、ダイエットにも役立つということがわかりました。

褐色脂肪・白色脂肪、そしてベージュ細胞

ヒトの脂肪組織には、白色脂肪組織(WAT:White Adipose Tissu)と、褐色脂肪細胞(BAT : Brown Adipose Tissue)があります。
白色脂肪組織(WAT)は、主に脂肪を貯め込みます。一方、褐色脂肪組織(BAT)は、肥満を解消させる働きがあると言われています。

褐色脂肪組織(BAT)の作用はそのミトコンドリア内膜に特異的に存在する脱共役タンパク質1(UCP1)は、交感神経活動を更新させ、エネルギーを熱に変換していきます。そのために、このUCP1の発現を高めることが肥満や関連病態の発症対策に効果的であると考えられています。

一方、白色脂肪組織と褐色脂肪組織の他に、最近ベージュ細胞と呼ばれる細胞があることがわかっています。
ベージュ細胞は、白色脂肪組織に混在するもう一つのタイプの褐色脂肪“様”細胞とも言われていて、白色脂肪細胞とも褐色脂肪細胞とも異なる独自の遺伝子発現パターンをもっていますが、寒冷刺激やノルアドレナリン刺激等により UCP-1を高発現し、褐色脂肪細胞と同様に熱産生を行うことから、肥満に効果的と言われています。

EPADHAの抗肥満効果

ベージュ細胞は熱産生を行い、肥満に対して効果的と言われていますが、脂肪を貯め込む白色脂肪組織が、褐色脂肪組織のような機能を有する褐色化が起こったものとされていて、このベージュ細胞の退縮や減少が、中年太りの主な原因と言われています。

逆に考えれば、このベージュ細胞の発現を誘導したり、活性化させてあげることで、成人の肥満対策につながると考えられています。

今回、EPADHAといった魚油が、胃や小腸に分布しているTRPV1という唐辛子(カプサイシン)の受容体に作用し、交感神経を活性化させ、それによって褐色脂肪、ベージュ細胞の発現を促すことが知られています。

あくまでもマウスでの実験ですが、熱を産生し、抗肥満効果のある褐色細胞やベージュ細胞の発現が促されることにより、EPADHAの抗肥満効果が期待されています。