1滴の血液で13種類もの癌と認知症が超早期で発見できる
健康診断では、注射針で採血をし、コレステロールや血糖、中性脂肪、尿酸といった項目が測定され、メタボ健診などの指標にもされています。
しかし、現在、癌や認知症を血液たった1滴で診断できる夢のような検査法が開発されています。
その検査とは、『ミルテル検査』と言われるものです。
ミルテル検査で行われるテロメアテストとミアテスト
ミルテル検査では、ミアテストとテロメアテストと呼ばれる試験が行われます。
テロメアテスト
テロメアテストは、持って生まれた遺伝子の強さと、普段受けている遺伝子の疲労を知ることで、生活環境の改善を図ることで疾患を予防していこうというものです。
遺伝子の強さ(遺伝子強度)とは何かというと、末梢の血液細胞のRNAの遺伝子年齢を測る指標とも言えるテロメア長からテロメア年齢を算出することで、遺伝子の強さを測定するものです。
テロメアがもともと短い人は、早く細胞の寿命がきて組織レベルでの機能が低下します。
加齢度合いは、「実年齢」ではなく「遺伝子年齢」での指標が重要とされています。
よく、寿命と間違えられやすいのですが、あくまでも染色体の強さを数値で表しているものです。
遺伝子の疲労(遺伝子疲労度)は、ストレスを受けると遺伝子の最先端部の遺伝子の端である「Gテール」という部分が削られてしまいますが、この削れ具合を測定して、病気のかかりやすさをチェックする方法です。
ミアテスト
ミアテストは、各臓器から出る疾患特異的な因子となるマイクロRNAを検出することで、疾患の超早期発見を行うテストです。
病気になると、病気になった細胞から分泌されるウイルスのような小さな顆粒にマイクロRNAが封入されていますが、これが病気特有のマイクロRNAを含んでいるので、それを末梢の血液から検出することで、癌や認知症(アルツハイマー)の病気を超早期に発見することができます。
ミルテルテストができる医療機関はどこ?
ミルテルテストができる医療機関は、次のホームページで紹介されていますので、ご参考にしてください。
http://www.mirtel.co.jp/
マイクロRNA
人間は体を構成する重要な要素としてタンパク質がありますが、このタンパク質を遺伝子情報をもとに作るときに必要となってくるのがRNAですが、RNAはタンパク質を作らないものもあり、これがマイクロRNAと呼ばれています。
いろいろな臓器から病気特有のマイクロRNAが出てくるので、これを測定することによって、病気の兆候を迅速に知ることができるというしくみです。
進むマイクロRNAプロジェクト
国立がん研究センター、9つの大学、6つの民間企業が結集して、これらの検査システムのプロジェクトが既に立ち上げられています。
プロジェクトの対象とされている疾患は次の13種類の癌と認知症(アルツハイマー)です。
胃がん
食道がん
肺がん
肝臓がん
胆道がん
膵臓がん
大腸がん
卵巣がん
前立腺がん
膀胱がん
乳がん
肉腫
神経膠腫
認知症(アルツハイマー)
乳がんと大腸がんの早期発見が先行スタートしていて、2018年度末までには、13種類すべてについてプロジェクトが完成する予定となっています。
現在、解析がもっとも進んでいる乳がんでは、マイクロRNAを利用して9割を超える確率で乳がんの診断ができています。
東京医科歯科大学のグループが行っている研究で、「探嗅カメラ」によって、手の平のがんのにおいの可視化も可能になってきています。
慶應義塾大学先端生命科学研究所では、3000人分の唾液を分析したデータベースを保有し、患者の唾液を分析し、データベースと照合することでがんの早期発見につなげる研究がすでに臨床研究段階に入っています。
<参考:日経デジタルヘルス http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20150527/420220/?ST=ndh&P=1>