ダイエットで無理をするとサルコペニア肥満に
サルコペニア肥満ってどんな肥満?
肥満は肥満でも、『サルコペニア肥満』とは、いったいどういう肥満なのかというと、筋肉量が減少している肥満状態のことを言い、俗に言う脂肪太りみたいな感じの肥満です。
サルコペニア(sarcopenia)は、『加齢性筋肉減弱症』とも言われ、筋肉が減少する老化現象のことを言い、 『肥満』は、ご存じのとおり体脂肪が一定より増加している状態のことなので、つまり、筋肉が減少していて、体脂肪が増加している状態ということになります。サルコペニアは、身体的な障害や生活の質の低下、および死などの有害な転帰のリスクを伴うものであり、進行性および全身性の骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群です。
まあ、ぶっちゃけ言えば、脂肪太りということですが、実はこのサルコペニア肥満であるのか、普通の肥満であるのかということは、外見からでは区別しにくいのです。
確かに、できあがったトンカツをみて、中に入っているのがロースなのかヒレなのかとか、脂身が多いか少ないかは、衣をはがさないとわからないのと同じです。
『肥満』の一言で片づければいいのに、なぜわざわざ『サルコペニア肥満』なんて名前をつけて区別するのかというと、このサルコペニア肥満は、普通の肥満と違って、生活習慣病のリスクが高くなり、寝たきりの原因にもなるロコモティブシンドロームにもなりやすいからです。
サルコペニア肥満の人は、普通の人に比べて、男性で1.7倍、女性で2.3倍、高血圧発症リスクがあったという研究報告もあり、サルコペニア肥満になると他の生活習慣病のリスクも高まってしまいます。加えて、要介護となるリスクの一因にもなっていることから、医学会でも注目されはじめてきて、テレビや雑誌などのマスコミでもとりあげられるようになりました。
サルコペニアになる原因と考えられているものには次のようなものがあります。
※内分泌の異常(コルチコステロイド、成長ホルモン、インシュリン様成長因子、甲状腺機能異常、インスリン抵抗性)
※加齢(テストステロン、アポトーシス、ミトコンドリア機能障害)
※栄養(蛋白質)
※運動ニューロンの損失、炎症性サイトカイン
サルコペニアの診断はどうするの?
さあ、それじゃ『サルコペニア肥満』の診断はどうするのかと言うと、次のような診断基準があります。
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【サルコペニアの診断基準】
診断は基準1 と基準2か基準3に基づく
1.筋肉量の低下
2.筋力の低下
3.身体能力の低下
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サルコペニアの判定基準値を筋肉率について
男性27.3%未満
女性22.0%未満
肥満判定基準値をBMI25kg/m2以上。
加齢によるサルコペニアについての実際的な臨床定義と診断基準の統一的見解は、European Working Group on Sarcopenia in Older People(EWGSOP)により公表されています。
評価の確定診断的なもので確立されたものはありませんが、 測定としては、筋肉量、筋肉、身体能力などが測定され、サルコペニアの簡便な判定法として1つの案があります。
【サルコペニア簡便判定法 (案)】
1. BMI < 21
2. Age ≧ 75
3. 以前と比べて手足が細くなってきたと感じる
2項目該当でサルコペニアに該当する可能性 81.9%
1項目該当でも予備群として扱うべき
0項目該当ではサルコペニアの該当者なし
特に、若い頃の間違ったダイエット法をやったりすると、将来のサルコペニア肥満を引き起こすとも言われています。
無理なダイエットをしてはリバウンドを繰り返すというようなことをやっていると、このサルコペニア肥満になりやすいと言われています。
特に、運動をせず食事を減らすだけの偏ったダイエット法は、筋肉量を低下させ、サルコペニア肥満体質を作っているようなものなので注意が必要で、体重が減っても、体脂肪率が上昇している場合は、注意が必要です。