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広告の薬事を考えた賢い戦略 (プリン体と戦う!を例として)

プリン体と戦う乳酸菌の薬事をわかりやすく動画解説(4分弱)


薬事広告 「プリン体と戦う」

 

よく、食品に対して医薬品的な効能をうたうと、薬事的に問題があり、医薬品医療機器法(昔の薬事法)に抵触するとして、行政指導を受けたりすることがあります。

消費者の立場から見ると、効果がわるかも知れないし、ないかもしれないけど、摂取してることによって害にはならないのであれば、こういった効果が期待されている、こういう場合もあるというように、ある程度の効果を知ることはメリットがあることでもあります。

一方、それを過信しすぎて、治療しなかったりするというのも問題です。

なかなかクレバーな明治の戦略

 

今回、ご紹介したいのが、明治プロピオヨーグルトのシリーズです。
このシリーズは、プリン体と戦う乳酸菌」、「リスクと戦う乳酸菌」、「強さを引き出す乳酸菌」といった形で、非常にグレーなコピーが並べられています。

果たして、これらのコピーは薬事的に大丈夫なのでしょうか?
なかなか、言葉を選んで工夫されています。

プリン体と戦う乳酸菌
これは確かにグレーな表現です。
プリン体と言えば、尿酸値が高い人が控えるべきものであり、痛風の予防や改善につながるというようなイメージを持っている人が多いと思います。

 

 

トクホ等では、疾患と絡んでくる血糖とか血圧といった指標に対して、許可が認められているので、尿酸値又は尿酸というワードであれば、特保や機能性表示食品としての表示になってしまうのでしょう。
そこで、プリン体についての言及になっています。

プリン体と戦うとなっているところを、プリン体に勝つとしてしまえば、勝つという結果を表しているので、生理的作用につながり薬事的にエヌジーになってしまうでしょう。
ところが、プリン体と戦う乳酸菌とすることで、乳酸菌の研究において、プリンたいの可能性を研究していることを、プリンたいと戦うとしているのであって、けして生理的作用を言及したものではないという抗弁がなりたちます。

実際に効果が証明されている乳酸菌
例えば、乳酸菌のPA-3株は、プリン体を体内に吸収されにくくしたり、菌体に取り込んだりすることにより、プリン体を減らす働きが研究成果として証明されています。
でも、いくら研究結果で証明されていても、ホームページに記載しては、薬事的にまずいのではないでしょうか?
しかし、明治のページには、乳酸菌のPA-3株が、プリン体を吸収されにくくするといった研究報告について、グラフまで載せて、研究成果をホームページに載せています。

 

この研究成果が載せてあるページは、一切商品が出てきておらず、さらに商品のページへのリンク、商品ページからのリンクもついていない状態になっています。
つまり商品の広告とは一切無関係の、純粋な学術論文紹介サイトとしているというテクニックを使っているのです。