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春風をもって人に接し、秋霜をもってみずからをつつしむ

職場でも仕事ができるということでは一目を置かれているものの、能力が評価されているわりには出世が遅れていたり、周りからあまり信頼されていなかったりする人がいます。


一方で、仕事はそれほどできるということでもなく、平均的なのに、なぜか周りに人が集まりよく相談を持ち掛けられたりしている人がいて、そういう人のほうが出世をしていたりもします。

 

 

能力は一人で高められるが、信頼は一人じゃ勝ち取れない

 

能力というものは、自分が一生懸命に本を読みあさり、いろいろ見聞を広める努力をすれば、孤高の戦士のように一人でどんどん実力をつけていくことができます。しかし、信頼自分一人では勝ち取れないものです。

信頼とは、周囲に訴えかけるものがあるかどうかということになり、そういったものがないと助けを必要とするとき、周りは動いてくれません。
孤高の戦士は援軍を得られず、一人で戦わなくてはならなくなります。

 

孤高の戦士タイプの人は、自分が仕事ができ、それだけに努力をしてきているので、他人にもそれを求める傾向があります。そして他人のちょっとしたミスでも許すことができず関係がギスギスしてしまったりします。他人のミスが自分にも及ぶなんていうことがあると、厳しく必要以上に責め立ててしまったりもします。


そして自分の能力評価にこだわったり、自分の能力を過信したりすることで、だんだんと他人を認めたり、受け入れたり、許したりする心のゆとりをなくしていってしまい、ますます孤立していってしまいます。

信頼されている人は心のゆとりがある

 

逆に、その人自身の仕事の能力は平均的なものしかない人でも、心にゆとりがある人だと、相手のミスを許すことができますし、成功してもそれを分け与えることができます。

「成功したのは、協力してくれた皆様のおかげです。決して自分一人の力では何もできませんでした。皆のサポートがあったこらこそ、いい結果が出せました。本当にありがとう。」

このように成功を独り占めせずに皆と分かち合い、共に喜ぶことができるのです。

一方で、
「まあ、成功したのは僕の実力からすれば当然で、これも普段から自分を磨き努力してきた結果だと思っています。」
と、こんなことをいう孤高の戦士がいたとすれば、あなたがどちらかに協力しなければいけないとしたら、どちらに協力するでしょうか?

聴くまでもありませんね。
まあ、成功率とか、それに伴う自分の出世とか打算的なことは別として、人間の感情だけで考えれば、当然、成功したのは皆のおかげと言っている人のほうに協力したいと思うのが人情でしょう。

江戸時代の儒学者である佐藤一斎宇治は、
「春風をもって人に接し、秋霜をもってみずからをつつしむ」
という言葉を残しています。

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これは、他人に接するときは春の風のようにやさしく、そして自分に対しては秋の霜のようにきびしく対処するという教えです。
なかなかできるものではありません。

この境地に達するためにも、心にゆとりを持つということは大切なのでしょう。