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新皮質がアハ!体験する瞬間

アハ!体験とは

脳科学者でテレビでもおなじみの茂木健一郎のおかげで、『アハ!体験という言葉が世に広まりました。

アハ!体験とは、人間が、ひらめきや気づきの瞬間に「あっ!」と感じる体験になります。 これは、英語の感嘆詞である「aha」から来ているそうです。

「aha」は、「ああ、なるほど」といったような意味ですが、茂木健一郎によると、私たち人間は、アハ体験の瞬間、わずか0.1秒の間に脳内の神経細胞が一斉に活性化するのだそうです。

つまり「わかった瞬間に、頭がよくなる体験をした」ぐらいすごいことなのだそうです。

こんなこともアハ!体験

頭が良くなるんだったら、『アハ!体験』をいっぱいしたほうがいいから、是非とも『アハ!体験』してみたいと思うことでしょう。

そして、テレビ番組などでやってるのは、『アハ!体験』のコーナーを見てみると、何か2枚の同じような絵や写真の「間違い探し」をしたり、2通りの見方のできる一枚の「だまし絵」を見たり、画像が時間とともに少しずつ変わっていく映像が流れて、いったいどこが変わったのかを当てるようなゲームが行われています。

なんだそんなことで? そんなことしても、ただのゲームとしてならともかく、脳が活性化して頭が良くなってる実感はないんだけどなと思われる人も多いかと思います。

アハ!体験は全体像を見る必要はない

何かを気づこうとするとき、人は必ずしも全体像を見ていませんし、その必要もありません。

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画像のどこが変わったかも、まずは最初の画像を覚えて、どこか変わりそうなところにいくつか山を貼って、そこを順番にかわるがわる見回すといったことをする人も多いと思います。 途中で気が付かなくても、変化した後の画像の中で違和感がある場所を見つけるかもしれません。

これと同じように、脳の新皮質もピンポイントに活動しています。 常に足らない部分は補っていけばいいのです。

たかが川を渡るだけなのに

流れが速い川が目の前にあり、それを渡ろうとするとき、脳はいろいろ考えます。 新皮質は、まず実際に見えていることについて情報を集めて処理し、整理します。

川の幅などを見た目から判断し、川面を流れる木の葉の速さなどをみて、流れの速さなどを想像します 見た目では川の深さなどはわかりませんが、こうした見えない部分について推理したりします。

次に今度は、そこに一般的な川の情報を加え、さらに自分の運動能力を考え、自分の運動能力で大丈夫だろうか、無事に渡れる確率はどのぐらいだろうか、すべったり落ちたりしないだろうか、いろいろ考えます。

そして、川を渡る方法についての映像やモデル、過去の経験などを頭の中で想像していきます。

そして飛んで渡るのか、そのまま歩いて渡るのか、ボートを使うのか、遠回りして橋を渡るのか、いろいろ判断します。 いろいろと判断するために検討しているとき、それぞれの見当く重くに対しては専用のニューロンがあり、それに関係するニューロンがそれぞれひととおり検討作業をします。

そして、それが終えて、川を渡る判断がされると、最後に脳の新皮質は体に指令をだして、頭に思い描かれたモデルを実現させます。

たかが川を渡るだけでも、新皮質は膨大な計算をあっという間にこなしているのです。

そして、実際に川を渡っている時も、新皮質は活動し続け、無事に向こう岸までたどりつけるように、体と感覚の微妙な調整作業をしていたりします。

このように、膨大な計算をこなすときも、各検討項目についてニューロンが割り当てられていて、働いています。

映像の違いをみつけた瞬間のアハ!体験

映像の違いをみつける場合も、川を渡るのと同じように、いろいろなことを人間は考え、膨大な情報量をこなすべく、各検討項目についてニューロンが割り当てられています。

そして、なかなか見つからず苦労していると、い、パズルのピースがきれいにおさまる瞬間がいきなり訪れます。

つまり情報処理にバラバラに働いていたニューロンが、いきなり合意に達した瞬間ということになります。

そして、その瞬間、問題解決に働いていたニューロンたちが一斉に声をそろえて「わかった!」と叫ぶのが聞こえてくるような体験をします。 これこそがアハ!体験と言えるのです。