知っていると一目置かれる、今が見頃の菖蒲のトリビア
菖蒲の花が綺麗な季節になり、テレビでも菖蒲園が紹介されたりしています。
菖蒲湯や薬で使われている菖蒲と、菖蒲園のショウブは別物
一方、菖蒲はお薬としても使われますが、この薬用として使われる菖蒲と、菖蒲園で観賞用とされている菖蒲は全く別のものです。
同じような物として、ニンジンがあります。
私たちが、サラダやカレーなどに入れて食べているニンジンは、セリ科ですが、朝鮮人参など薬用に使われているものはウコギ科になります。
菖蒲の場合は、観賞用として菖蒲園などで栽培されているものは、アヤメ科のハナショウブです。一方薬用として用いられているのは、サトイモ科のショウブです。
東京で菖蒲と言えば、なんといっても堀切菖蒲園ではないでしょうか。
約7700平方メートルの敷地面積に、200種6000株の花菖蒲があり、花菖蒲愛好家の間では、知らない人はいないのではないでしょうか。
なにせ、電車の駅名までもが、「京成 堀切菖蒲園駅」となっていて、当駅からは歩いて10分ぐらいのところにあり、駅を降りて下町の情緒豊かな商店街を歩いていきます。
堀切菖蒲園では、年間を通して四季折々の花が楽しめるようになっていて、本格的な日本庭園が整備され、花と緑に囲まれた都会のオアシスにもなっています。
堀切菖蒲園の営業時間は、通常は9:00~17:00で、休園日は年末年始となっていますが、花菖蒲が見頃の6月1日~6月25日までは、8:00~18:00と営業時間が2時間延長されています。
菖蒲の変わった使われ方
サトイモ科の菖蒲は、葉が剣状であることから、古くより魔除けとしても使われ、端午の節句には菖蒲を軒に挿して、戸口にヨモギをつるす風習や、菖蒲の葉を風呂に入れる菖蒲湯の習慣があったりします。
菖蒲園の菖蒲は、間違ってつけられた名前のなごり
薬用のショウブは、サトイモ科のショウブですが、葉のすじが文目模様になっているところから、アヤメ(分目)と呼ばれたのがもともとの由来で、これに葉がよく似ている花の美しい植物をハナアヤメと呼ぶよういなり、いつのまにかアヤメと言えば、ハナアヤメの方を指すようになっていきました。
このことから、本来のアヤメを中国語名でショウブと呼ぶようになります。
しかし、今度はアヤメ科の園芸品種が間違って、ハナショウブと名付けられてしまったため、今でも菖蒲と言えば、サトイモ科の菖蒲ではなく、アヤメ科の花菖蒲と解釈されるようになったのです。